画龍点晴を欠く…?

敢えて目玉を描かないのが、
あるいは相方スタイル。
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相方がメガネを買い替えた。
今、すっかり主流となっている横長フレームで、
かなりツリ目のシャキーンとしたカタチである。
それは相方の顔の雰囲気にあまりにも自然に溶け込み、
周囲の人間は、
メガネを変えたことにさえ気付かないほどだったらしい。
もともとシャキーン顔の相方。
クールメガネを装備したことで、
その風貌は、
「委員長」から
「科学者」への変貌を遂げた。
自他共に認める「ぽやーん顔」の私としては、
羨ましいことこの上ない。
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バレンタインということで、
チョコレートフォンデュを食べた。
ココアパウダーをブランデーか何かで練ったようなチョコクリームに、
プチシューやオレンジ、イチゴ、スポンジケーキ、栗、ブドウなどなど、
普段あまりつけないであろうものを付属の銛(モリ)で突き刺し、
ドブリと浸し、グルリと絡ませ口に放り込ませる。
チョコレートフォンデュは、ぎこちなさが美味しい。
やや我の強い、ひねくれ者とも言えるチョコレートと、
普段はチョコレートに包まれずとも、
立派に独り立ちしている素材類を、
やや強引に引き合わせ、
双方から迷惑がられながら仲を取り持たせる。
包むほうも包まれるほうも、
むげに断るのはナニだからと仕方なく対面し、
互いに
「いい人なんだけど、ねえ。」
と思いながら、イマイチ打ち解けきれない気まずさを感じているような、
所在無さが楽しく、美味しい。
チョコレートフォンデュは、お節介な仲人の味であり、
三者三様の事情と立場が複雑に絡み合う、
ある意味とってもオトナなスウィーツなのだと思った。
ちなみに、
チーズフォンデュの時の失敗を繰り返すまいと、
チョコレートソースのご使用を非常に計画的にしたところ、
とてもたくさん余ってしまった。
フォンデュ系の料理は、
非常に難易度が高い。
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会話をしている時に、
あんまし相手を凝視するのもアレだというので、
何気なく視線をそらすということは誰でもすると思うのだけれど、
相方の場合、
眼球が素早くピクッとスライドするので、
(ん??なにかあったのか!?)
と、思わずつられてそちらを見てしまう。
本人はこれといってなにも見ていないらしい。
これに似た行動を、特に猫がよく見せる。
毛づくろいをしていて、
急に何かを察知したかのように
「ピクッ!」
と中空を見つめるアレだ。
ある意味、
猫の目のように変わる行動といってよい。
(そのまんまの意味として、合致しているな。)
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「ラブハンドル」
とは、わき腹についたお肉のこと。
最近食欲が旺盛になってきたせいか、
この辺がたわわに実ってきて、
そのパーツがまた相方のお気に入りとなっている。
以前はここをムニムニするだけだったのだけれど、
近頃はムニョリと両の手でつかみ、そのまま歩いていることも。
その様はまさしくラブハンドル。
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寝不足による高揚状態は、
普段、口にしない言動、
普段、目にしない行動をもたらす。
いちいち意表をつく彼女の挙動は、
いつも面白過ぎる。
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まあ、
あまりにも予想通りの反応だったので
(セリフまでドンピシャだったのは面白かったが。)
落胆よりも納得の色の方が強かったのだが、
一瞬、
(おおう。)
という目と、口元がニヤリとしたのを、
見逃さなかったもんね。
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本当は、指輪をはめて、そのまま両手で彼女の手を包み、
愛の言葉をささやこうと考えていたのだが、
そんな企てを知る由もない相方の素直なハイテンションっぷりにより、
私の目論みは見事、水泡に帰したのだった。
まあ~、
私も相方もそういうのがニガテな性質なので、
こうなることは当たり前っちゃあ当たり前なんですけどね。
相方いわく、
「寝る時も着けておくー。」
とのこと。
そこまで喜んでもらえれば言うことはないよ。
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相方がまず口にしたのは、
自分のことより先に、私への配慮だった。
興味は尽きないし、
尊敬もしている。
もちろん大好き。
いろいろ含めて、
この人には敵わない。
※追伸
前回、前々回の記事につきまして、
コメントやメールでのたくさんのご意見、励まし、
誠にありがとうございました。
以後、気をつけますので、
今後とも『言戯』ともども、よろしくお願い申し上げます。
『言戯』@寿
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1月3日。
相方と初詣に青葉区の大崎八幡神社に行ってまいりました。
そこで気づいたのですが、
相方は大のおみくじ好きらしい。
実家の家族との初詣で二回。
私との初詣でも二回。
計4回引いて、結果は
中吉
小吉
吉
末吉
とのことだった。
どんだけおみくじ好きなんだよと。
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もうすぐ付き合い始めて丸3年になるのだけれど、
考えてみると相方との逢瀬は9割以上が上記の行動である。
ほとんどが二人で話しているだけの時間なのに、
まったく飽きないコト。
ジツはスゴイ関係といえる。
こういう人に出逢えたのは、
きっととんでもない幸運なのだろうと
しみじみ思った平成十八年の元旦。
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「財布にしようか、名刺入れにしようか、腕時計にしようか迷ったんだけど、一番必要そうだったのがコレだったから。」
と、相方がくれた包みの中には腕時計があった。
「うっほおおおおお!!!」
思わず、意味不明の咆哮で胸いっぱいの歓喜を吐き出す私。
腕時計。
ホントのホントに、
まさしく今、一番欲しかった(必要だった)モノ。
なにしろ携帯電話を持っていないので、
街などではいつも時間が分からず、
どうしても時間が知りたい時には、
いちいち最寄のコンビニなどに立ち寄って、
壁掛けの時計を見ていたのである。
だんだんとそういう困った機会が増えてきたため、
(そろそろ腕時計を買わなきゃなあ…)
と思い、それとなく物色を開始した矢先の出来事だった。
しかも、自分で探してもなかなか無かった
「ちょうどいい」腕時計。
スッキリシンプルデザインで、実用性に優れた一品。
私の好みど真ん中。
自分の中のアンバランスな欠けに、
あつらえたようなピースを用意されたような充足感。
安堵感まで感じるほどのプレゼントだった。
それにしても驚きなのは、
その選択の適切さ。
もともと私はモノをほとんど買わないほうなので、
「●●が欲しい。」
という話は滅多にしないはずなのに、
数少ない情報と、怜悧な観察により最高の選択を導き出した相方のプレゼントは、私の目には魔法のように映って仕方がなかった。
私のクリスマスには、
赤いサンタではなく、
黒い魔女がやってくる。
ありったけの感謝を捧げたい12月25日。

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普段、走ることなどあまりない相方が、
ウチの周りに降り積もった20センチほどの雪のなか、
耐え切れずにブレイク。
好きなものに対しては、
多少の不利益も厭わないキミの生き様に乾杯。
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相方曰く、
「雪がモサモサ降っていると、用も無いのにコンビニまで行って、アイスを買って帰って、『寒い…!』とか言いながらワシワシ食べるのが好きー。」
なのだそうだ。
たしかに、雪がしんしんと降っている時。
フードをかぶってたたずんでいると、
耳が圧迫されるような静寂のなかに
パサパサという雪の降り積もる音。
まるで、白濁した液体の中にいるような感覚。
すこしさみしい懐かしさのような。
ともすれば孤独のような場所なのに、
傍にいる人の声だけがやけに澄んで聞こえることが、
お互いをつなぐ何かがハッキリ見えるようで、
とてもウレシイものなのですよね。
キミとの感じ方は違うかもしれないが、
私はこんな感覚で、好きです。
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中途半端な知識と根拠のない自信。
この二つに油断という媒体が合わさって抽出される結晶体。
それが『うろ覚え』である。
相方と逢っている間、
間断なく繰り広げられる会話、
猫の目のように移りゆく話題。
そのなかでほんの一瞬現れる、
「うろ覚え固有名詞」
という名の隙を、相方は決して見逃さず、
訂正、突っ込みのボディブローをねじ込んでくる。
的確に急所を射抜くそれは、
徐々に私の足の自由を奪い、
ついにはダウン(落ち込み)を余儀なくされるのだ。
しかしまあ、
よくあんな瞬時に間違いを見抜き、
訂正できるものだと感心しきりを禁じえず、
「さすが、校正士…。」
という畏敬の念を抱いてしまうのです。
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「オレ、塩ラーメン。」
席に着くか着かないかの間。
メニューをチラリと見て、さっさと注文を決めた。
「早!っていうか、いっつも塩だよねえ。」
相方は半分あきれながら、自分の食べるものを決めるべく、
メニューを睨みつける作業に入った。
夕餉の時間をだいぶ過ぎた国道沿いのラーメン屋さんは、
マンガをおかずにラーメンをすするスーツさんと、
ひたすらパチンコの話しを繰り返す若者たちくらいなもので、
店内の湯気もややナリを潜めている。
周囲の様子を一通り眺め終えると、お冷に口をつけた。
やや上目遣いに相方の様子を探る。

まだ、自分のオンリーワンを決めかねているようだ。
最近気づいたことなのだけれど、
飲食店における発注時の相方は、非常に思慮深く、慎重であり、
妥協を許さない。
自らの気分、体調、士気、所持金、好物、意外性、
同伴者多重発注回避、天候、時刻、季節、
気温、湿度などなどを逐一計算し、
多角的かつ総合的にもっとも適した品目を注文しようとしている。
頬杖をついて、低いうなり声を発し、眉間を曇らせている。
知らない人が見たら、具合が悪いのかと心配になることだろう。
しばらく黙ってその様子を眺めていたが、
そろそろ飽きてきたので、提案がてら声をかける。
「そういやあ、こないだ『次は塩にしよう。』って言ってたよねえ。」

スルー。
残念なことに、私の声は相方に届いていないらしい。
彼女の意識は、今、この瞬間の己に最も合致したラーメンを選択することで満たされているのだ。
数分が経った。
席の向こうでは、相変わらず相方が唸っている。
いよいよ思考は熱を帯び始めたらしく、
メガネをはずして頭を抱えている。
テーブルの上には気まずい沈黙。
知らない人が見たら、別れ話をしているようにも見えるだろう。
しかし誤解しないでほしい。
彼女はラーメンで悩んでいる。
どうやら、候補はトンコツとタンタンメンに絞られ、
情勢としてはややトンコツが有利のようだが、
まだまだ予断は許さない状況。
無言でお手拭をいじくっていた私も、
久しぶりに相方の唸り声以外の声が聞きたくなって、
再び呼びかけを試みた。
「サチ!もう、これでいいんじゃねえ?『お子様セット』!ははは。」

…非常に残念な結果となった。
出来れば、さっさとメニューを決めて、かまってほしい。
さもなくば、寂しくて死んじゃう。
その時。
相方がガバッと顔を上げた。
その表情には未だ迷いの澱みが残っているが、
ようやく何らかの折り合いがついたようだった。
「よし…うん。決めた!タンタンメンにする。」
悩みに悩んだ結果が、いつものタンタンメンである。
いつも、非常に悩む割りに、
最終的にはほぼ同じメニューだったりする。
直感発注型の私としては、
(一体、何を毎回悩んでいるのだろう…?)
と不思議でならないのだが、
もしかすると相方は、
「選択出来る」という贅沢を存分に楽しんでいるのかも知れない。
そして、食べ始めてからの決まり文句

というのも、後悔すら賞味しているのかも知れない。
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近頃の相方の愛情測定は、
己が身体を完全に預けるスタイルである。
ローテンションな情念の女なのかもしれない。
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本人も、
「なんであたし、こんなむやみにポジティブなんだ?」
と自問自答しながら励ましてくれている。
ホント、ありがとね。
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楽天の田尾監督の解任については、
もちろん宮城県人として思うところはたくさんあるのだけれど、
それよりも先に気になってしまったのが
相方の所作の端々に垣間見えるオッチャンのそれ。
かなり痛いところを突いたハズだったのだが、
顔色ひとつ変えず、まるでそんなことなど無かったかのように
乙女モードに移行するその胆力に、
あらためて相方の底知れなさを感じたのだった。
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相方の友人が、最近ウチのサイトを読んで、
私が相方に対して使う呼称「サチ」をいたく気に入ったらしく、
近頃は相方を呼ぶとき、必ず「サチ」と呼ぶようになったという。
もともと私より付き合いの長い友人でもあるし、
大した用事がなくてもニヤニヤと呼ばれるという証言から、
冷やかし成分が多分に含有されていることも十分に考えられるが、
実害の及ばない立場からすると、それは面白…
由々しきことだと思う。
しかし君よ。
許してほしい。
ノロケはいつも、冷やかしの届かないところより生まれ、
冷やかしはいつも、無辜な相方の身に降りかかるものなのだ。
それは、人類の生み出した究極の理不尽。
まるで戦争のように。
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相方は私の渾身の不意打ちを軽々と飛び越えてきた。
普段は人一倍周囲のことを気にかける人なのに、
状況によってそれら一切を遮断し、
行動を断行できる相方の凄みにうろたえるしかない私。
まさに彼女は
治外法権。
無敵艦隊。
不可侵存在。
あ~んタッチャブル。
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先日、本当に久しぶりに二人そろってお休みの日があって、
朝から温泉に出かけた。
相方は、日頃のデスクワークで肩や背中、腰などが
バリバリに硬い。
少しでもほぐしてあげたいと思って、
湯上りにマッサージを施した。
時たまツボを強く押しすぎて、
半泣きの悲鳴を聞いたのは、
ついつい労いの気持ちが強く出てしまったからであり、
日常繰り返される脇突きへの報復などではない。
断じてない。
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ジャズフェスのオマケ。
知り合いのご夫婦が営んでいるお店で食事したのですが、
たまたま相方がおどけて
「はい、あ~ん。」
をした瞬間、料理を運んできた奥さんに見られてしまったという次第。
そんなに恥ずかしかったなら描くなよ。
という話ですが、そのタイミングがあまりにナイスで面白かったので、
描いちゃったという次第。
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やっぱし、スケッチ入りで
「ボインボインの人」
って書いてあったのがマズかったのかな。
絶対零度のため息に、氷河時代(アイス・エイジ)の予感…秋の空。
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宮城県は仙台市では、毎年この時期に
というお祭りが開かれる。
『定禅寺ストリートジャズフェスティバル』とは、
定禅寺通りという大きな通りを中心に、
プロアマ問わずたくさんのジャズバンドが演奏をし、
仙台の街を音楽で染め上げてしまうというヒジョ~~~に
創造性豊かな催しなのです。
9月11日。
『定禅寺ストリートジャズフェスティバル』最終日。
日曜日ということもあり、仕事は抜け出せないにしろ少し早めに切り上げて、私は日曜の最終日のフィナーレを見に行くべくイソイソウキウキと地下鉄に飛び込んだ。
今年ももちろん相方と見るわけだが、
友人知人が演奏する側で参加している彼女は、昼間から先乗りしている。
連絡を取り合って、現地集合という手筈だ。
地下鉄に乗っている間に、空はすっかり暗くなり、上り階段の向こうにそびえ立つ141ビルは足元からライトアップされ、にじみ聴こえてくるジャジーな音楽とあいまってひどく幻想的に見えた。
広場に出た。
昼間からの湿気が、祭りの熱気に支えられてか地表に残っていて、とにかく蒸し暑い。
去年は寒かったから、今年もそう踏んで厚着してきたことを早くも後悔した。
そして、
そこかしこで演奏しているバンドを取り囲む聴衆、聴衆、聴衆!
リズムに乗る表現はそれぞれ大小あるが、
音にあわせて揺れるそれは、音楽の風を見ているようで楽しい。
もちろん、私のもとにもあちこちから大音量の音符が飛んできて、腸のあたりを刺激する。
会場に入るほどそれはいよいよ渦巻いて、
自分の鼓動なのか音波の波動なのか判然としなくなってきた。
それもまた心地よい。
ところで、相方が見つからない。
私は携帯電話を持っていないので、
公衆電話から連絡したのだけれど、
待ち合わせの場所を根っこから間違っていて、
さんざん歩き回ることとなった。
もちろん、
演奏に聞き惚れて立ち止まったりしたのこともあったのだが、
ようやく合流したのは実に1時間後の出来事だった。
相方に逢う。
一緒にいたのは、バリトンサックス奏者のアヤコさんと、
キーボードを操るクボさんだ。
アヤコさんは黒のスーツがバシっと決まった、
カッコイイ極まりない妙齢の女性である。
(既婚だが。)
そしてなんと、「言戯」の読者さんでもあった。
ほぼ毎日見てくださっているという。
(つーことはコレも見てますね?ドモドモ。)
「是非、会ってみたい!」
ということで、待ってくれていたのだ。
(1時間も待たせちゃって本当にごめんなさい。)
クボさんは相方の友達のもうすぐダンナさんになる人。
話は何度も聞いていたが、実際に会うのは初めてだった。
気さくで明るくて楽しいステキメンである。

それは、音楽でも絵でも変わりない。
きっと、表現とは、認めることだと知っているからなのではないかと思う。


考えてみると、「言戯」読者の人で相方と並んで会ったのはこれが始めてかもしれない。
それがとても新鮮で面白かった。
まあ、ついうっかりノロケて、

こうなったのには参ったけれど。
私が1時間遅れてしまったせいで、クボさんやアヤコさんの演奏が聴けなかったのが非常に残念だった。
なので、今度機会があったら、ライブに潜入しようかと考えている。
(ご迷惑でなければ…)
とにもかくにも、こうして今年のジャズフェスティバルは幕を開けたのだった。
つづく。
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相方の、最近の愛読書は、全身のツボというツボを網羅した
「ツボブック」。
校正士から整体師への転身の日は近い(かもしれない)。
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さすがに、身内の意見というものは的確かつ容赦がない。
決して江川紹子さんが不美人であるとか、似ていることが不名誉であるということではないのだが、大抵、
「有名人に例えると?」
という質問には、それぞれの部位のいいところをみつくろって、拡大解釈や多少の脳内バランス調整などを経て、女優さんとか、そういう人になぞらえるものなのだと思う。
そういう基準で言うと、相方は昔、
「『小雪』に似ている。」
と言われたことがあるらしい。
なるほど確かに、面影と、どことなくぎこちない笑い方は似ている気がする。
ちなみに私が過去に似ているといわれた有名人は、
「マスオさん」、「のび太くん」、「古田敦也捕手」であり、
架空の人物が過半数以上を占めているという驚くべき結果が報告されている。
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もちろん、実話である。
そこで、
「つまり、このゴミをサチだと思えばいいのか?」
と聞くと、当然
「あたしがゴミだって言うの!?…ヒドイ…!!」
となる。
…俺にどうしろって言うんだ…。
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ある日のこと。
私の運転する車は、相方を乗せて夏の夜の街を走っていた。
雨があがって間もないアスファルトには無数の水溜りが出来ていて、それらがヘッドライトに乱反射して見づらい。
メガネをかけていると、余計にそう感じるのだそうだ。
そんな理由から、運転の方に意識の重心を置き、なるべく相方の話のほうにも意識を振り分けるという配分を余儀なくされていた。
その時である。
私の左腕に、なにかがこすられるような感覚があった。
(?)
チラとその方を見ると、私の腕に相方が無心に自分の腕をこすりつけている。
その日は肌寒い日で、ふたりとも長袖のシャツを着用していたため、摩擦ですこし熱い。
「…かゆいの?」
いかにもかゆいところをかいてますといった風情の相方に確認する。
「うん。」
「空いてるほうの手でかかないの?」
「うん。」
「…そうかあ。」
「…」
「つーか、なに?俺の腕は『孫の手』か…?」
少々意地悪な言い回しをする私。
「ちがうよ。ニオイをつけてるんだよ。」
「…ニオイつけてるんだ。」
「うん。」
(マーキングされてるのかあ…。)
私もそれなりに長いこと人間をやっているが、同じ人類に「ニオイづけ」というかたちでマーキングをされたのは初めての経験だった。
そんなことしなくても、たぶん、盗ってくひとはいないと思う。
密かにそう思ったことは言うまでもない。
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そろそろ日付も変わろうかという時間に、相方から電話がかかってきた。
勤め先のビルの中から、今、ようやく仕事が終わったのだという。
「今からだと終電はあるけど、終バスは無いなあ・・しょうがないからタクシーで帰るよ・・。」
受話器の向こうでため息混じりに言う相方。
言外に、
(最近逢えてないし、迎えに来て欲しいなあ~・・)
というメッセージを汲み取った私は、駅までヘッドライトを走らせたのだった。
相方と合流して、ひとしきりお疲れさんと言ったあと、相方がぽつりとこんな一言を漏らした。
「はあ~・・お腹減った・・。」
「なに?晩御飯食べてないの?」
「ううん、軽くサンドイッチ食べたんだけどね。小腹と言うか、いや、普通にお腹が空いた。」
「そうかあ。んで、俺も小腹が空いたし、ラーメンでも食ってく?」
「ラーメン!いいねえ~。ラーメン!…ラーメン!!」
連呼することで喜びをかみ締める相方を乗せて、我々はいつものラーメン屋さんへと車を走らせた。
店内は、いかにもパチンコ帰りと思しき若者の集団と、数組のカップルなどが、モウモウたる湯気の中でゆっくりうなづきながら手を上下させている。
「俺、あっさり塩ラーメン。サチは?」
「…トンコツ行っていい?」
「うはは!濃いねえ~。太るよ?」
「太っちゃうよなあ~。でも、トンコツ食べたいんだよう。」

相方のお腹に四次元ポケットという名の肉ヒダが出現する日は遠くないと、一人ほくそ笑んだことは言うまでもない。
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「あ、趣味のコーナー。」
「…。」
「続いてパソコン雑誌コーナーを通ります。」
「……。」
「そして、文庫コーナー。何か読みたいものがあるんでしょうか。」
「………。」
「美術コーナーに来ましたねえ。」
「…………。」
「もしかして、当て所なく歩いているのでしょうか。」

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喫茶店のテーブルの上には、温かいお茶と、いくつもの話題が載っている。
その日は、どちらかというと相方の話の方が割合が多くて、私は対面で「うんうん。」とうなづいたり、少し質問をはさんだり、時には茶々を入れたりしながら、会話を楽しんでいた。
相方は、そうやって話しに夢中になっていると、かならずある口癖を出す。
それは、話しがだんだんとヒートアップしてゆき、ある臨界点に達した時。

突然、「はっ」とした表情をして、黙りこくる。
そして、こう言うのだ。

「ごめんねー。私ばっかりしゃべってるよねえ。」
「っていうか、止めてよ!」
と、謎の逆ギレまでする。
別にこちらとしては全然構わないのだが、相方はバツが悪いらしい。
それらも含めて、相方の話は面白い。
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生まれたばかりの「ツナガリ」は、丸くてツルツル。
手がかりというものに乏しい。
それは美しいものではあるけれど、扱いづらいものでもある。
だからみんな、それが扱いやすくなるように喜びのヒダやデッパリ、哀しみの汚れやヘコミをつけてゆく。
その人のことを、好きになったり、嫌いになったりしながら。
「つかみどころ」を作って、確かめて。
「強いツナガリ」というものは、得てしてみすぼらしいものが多いものだもんなあ~・・。
と、半端に知った風なことを言ってみるのだった。
相方との「ツナガリ」が出来て間もない頃のこと。
まだお互いの距離感がつかみきれていない我々は、ともすれば「気まずい」とも言えるような、眩しい気恥ずかしさの真っ只中にいた。
「あ、あのさあ。いつも指輪してるよねえ。」
たまたま目についた相方の指先に話しをすがりつかせる私。
とにかく会話の取っ掛かりが欲しい。
「あ・・コレ?・・うん。」
相方は薬指から指輪を外すと、

と、私の手のひらにそれを押し付けてきた。
「・・・え?くれんの?」
「うん。」
「いや、悪いよ。」
「私、同じの持ってるから。」
つまり、ペアリングというヤツだ。
もともと装飾品はおろか、腕時計さえ身につけない絵に描いたような朴念仁の私。
その照れと狼狽ぶりは推して知るべしである。
図らずも自分のものとなったその指輪を、しげしげと眺めた。
銀製。
重厚な見た目で、飾り気がない。
よく見ると、側面に刻印が施されている。
『CHAIN LUCK DOWN』
「この、『CHAIN LUCK DOWN』って、どういう意味?」
英語が苦手な私は、何気なく相方に聞いてみた。
「『幸運を繋ぎとめる』とかいう意味だよ。」
相方は、少し視線を落としながらそう応えた。
(『幸運を繋ぎとめる』…かあ。)

相方が、そういうメッセージをこめてくれたのかは定かではないにしろ、自分という存在が、相方にとっての『幸運』と言われたようで、とても嬉しかった。
それから2年ちょい。
そのリングは私の胸元と、相方の指で鈍く光っている。
あれから幾多の喜びと、大きな哀しみがいくつもあって、我々のツナガリはさまざまにカタチを変えた。
変わらないのは「つながっている」ということだけ。
相方の、『CHAIN LUCK DOWN』。
『繋ぎ止めたい幸運』になるためにも、がんばらにゃならんなあ・・と思うのである。
このツナガリが、途方もなくみすぼらしく、強いものとなるために。

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私は相方を「サチ」と呼び、
相方は私を「トシさん」と呼ぶ。
それは2年間の付き合いで、自然と定まった呼び名である。
「呼び名」と言えば、『お前』という呼び名がある。
『お前』。
かなり親しい対等な関係の者、または少し目下の者に対して使われる呼称だと思う。
そういった意味では、かなり限られた関係の者にしか使われない言葉だろう。
よく、恋人という間柄の男女で、男の方が女性を『お前』と呼んでいるのを見かける。
あれは、とても親しい感じがしてうらやましくもあるのだが、私が相方を『お前』と呼ぶことはない。
どうも、『お前』という言葉は居丈高な印象が拭えないし、いかにも
「主導権を取りたがってます。」
という意思がありありとしていて、恥ずかしいからだ。
しかし先日、この『お前』という呼称が意外な展開を見せたことがあったのである。
その日、私と相方はいつものようにとりとめのない話を楽しんでいた。
そのうちに、相方独特の憎まれ口を含んだような冗談が、心地よく私のほほにパチンと当たった。
(こんにゃろうめ。)
と思いつつ、どうしてくれようかと切り返しに頭をひねっていると、ふとある言葉を思いついた。
『お前』である。
普段、滅多に言わない『お前』という言葉を使って、相方に意外性で攻めてやろうと考えたのだ。
私はさっそく、使い慣れない呼称を載せて言葉を返した。

意外そうな相方の顔。
(してやったり。)
私は小さな勝利を確信した。
ところが相方は、『お前』という言葉を咀嚼するようにうつむき、黙りこくっている。
冗談の切り返しのつもりだったのだが、もしかして予想以上にカチンときたのかと焦り、

と、思わず謝った。
なんとなく、バツの悪い空気が流れている。
(そんなに悪いこと言ったかなあ・・?)
と、少し後悔する私。
その時である。
相方の口から、意外な一言が放たれた。

「えええええええ???」
驚きを隠しきれない私。
不意に出た私の『お前』発言は、相方の中に『男らしさ』ひいては『著しいセックスアピール』として響いたのである。
思わぬ副産物に狼狽すらしながらも、喜悦を隠し切れない私。
しかし、すぐに「はっ」とした。
それはすなわち、『お前』という一言に「男」を感じるほど、普段の私からはオスのニオイがしていないということではないのか。
一瞬の喜びも束の間。
またしても、内心地の底まで落ち込んだことは言うまでもない。
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先日のこと。
相方がこんなことを言い出した。
「ねえ、トシさん。今、『ほぼ日』でハラマキ売り出してるじゃない?」
「ああ、売ってるねえ。」
ポットから、琥珀色の湯気を立たせつつ、紅茶を茶漉し経由でカップに注ぎながら答える私。
湯気をあごに当てて、香りを楽しんでいる。
「アレ、竜と虎があるんだよ。二人して買わない?ハラマキ。」
「ああ、いいねえ。買おうか?俺、竜が良いなあ。」
「いや、竜は私。」

キッパリと言い放つ相方。
まっすぐこちらを見据えて、譲る気配は微塵も感じられない。
「え~?でも、オレも竜がいいなあ。」
「だってホラ。私、辰年だから。竜。」
「それを言ったら俺だって辰年だよ。じゃあ、竜と