「作り手」と「喜び手」と。

先日(といってもだいぶ経ってしまいましたが)、
クリスマスの時、相方にプレゼントした指輪を、
(過去ログ『昇格プレゼント』参照)
製造元に送ってサイズ直ししていただいた。
(過去ログ『彼女は知らない』参照)
そのお店は、名古屋にある。
相方がまだ名古屋にいた頃、
よく立ち寄っていたお店で、
とても気のいい若い職人さんたちが、
とても真面目に宝飾品を作っているお店なのだと、
よく話を聞かされていた。
そこで、
相方に初めて贈る指輪は、
やはりこちらのものだろう。
ということで、
インターネットで調べ、
指輪を発注したのだった。
サイズ直しの依頼メールを打って、
まもなく返信が来た。
なんと無料で直してくれるという。
普通の宝飾店がどうなのかは分からないのですが、
サイズ直しというのはおそらく、
それなりに手間と時間のかかるものだと思うし、
当然、幾ばくかの料金は発生するものだと思っていた。
しかし、そのお店は無料。
その上、お買い上げの品物は、
永久的にクリーニングも無料。
(もちろん、送料はかかります。)
これにはちょっと驚いた。

パソコンから書類を一枚出すのだって200円も取るような、
自分のお金を機械で引き出すのにも105円を取るような、
そんなご時世に、
無料で結構だという。
職人の、品物に対する飾り気の無い、
けれど温かい愛情と意地に感じ入る私。
そして、その返信メールの最後に、
担当のIさんから、一言追伸が添えられている。
「ブログを拝見しました。当店の品物がずいぶんと『昇格』したようで、嬉しいです。」
(要約してあります。)
どうも、私的なメールに添付する署名にあったアドレスから
たまたまウチのブログを覗いていただいたようだった。
ちょうどその時、
『昇格プレゼント』
を描いたばかりの頃で、
どういういきさつでこのメールが来たのか、
よく分かっていただけたらしい。
まったく、ブログというものは奇妙な縁を連れてくる。
しかも、奇妙な縁はこれだけにとどまらなかった。
何度かサイズ直しについてのメールをやり取りしているうちに、
Iさんから熱のこもったメールが送られてきた。
こちらも、メールの文面をそのままというのはアレなので、
口語体で要約します。
~~~~~~~~~~~~~~~トシさんのブログを拝見していて、驚きました!
相方さんからもらったという、あの『CHAIN LUCK DOWN』
のリングは、私の作ったシリーズなのです!
大感激のあまり、画面が曇って見えません!
(一部、表現に若干の誇張があります。)~~~~~~~~~~~~~~~
…うわ~~~~…。
あまりのことに、おそらくIさんと同じくらい、
画面の前でトリハダ立ち、涙ぐむ私。
なんと、
相方と付き合って間もない頃、
彼女からもらったペアリング(過去ログ『ツナガリ』参照)
を作った人が、このIさんだったのだ。
その縁にも感動しましたし、
そんな過去の記事まで遡って読んでくださったというのも大感激でした。
ものを作るということの本質は、
『作り手』と、『喜び手』を生み出すことだと思う。
ほとんどの場合、
『喜び手』の表現方法はオカネであるのだけれど、
今回のように、
稀に、ちょっとした奇跡として、
『作り手』と『喜び手』がお互いに直接繋がりあうことがあるのだと、
心のお腹いっぱいを覚え、
とても感動したのでした。
というわけで、
サイズ直しとクリーニングのお礼と言っては何ですが、
微力ながら宣伝させていただきたいと思います。
ステキジュエリーのお店
「タピルス」
名古屋にお店があります。
値段もお手ごろで、ネットショップもあります。
とっても良い職人さんたちのお店ですので、
宝飾関連でご用の際は、是非どうぞ。
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