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いつもの逆転

前回までのあらすじ:

寿は『いつもの』が通じる店が出来て、有頂天だった。


 
 
 
とにもかくにも『アッサムの人』と認知された私。
その後も、「いつものように」アッサムティーを楽しんでいると、

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というように声をかけてもらえるようにまでなった。

嬉しはずかし常連ライフ。
その店の、「客」というピースの中でも、少しだけ大きい位置を占めているような優越感。

そんな日々はきらめくように、めくるめく過ぎていった。
 
 
 
しかし、人というものは欲していたものを手に入れても、それに満足できるのは束の間でしかない。
また、次の、さらに高みにあるものを欲することとなるのである。

人の欲は限りなく、果てしない。
そういう度し難い業を背負うのが、人の人たる由縁なのだ。
 
 
 
それは、いつものカフェレストランでいつものようにお茶をするべく、メニューを見ていたときのことだった。

「アッサム、ホットで。」
(つまり、いつものね。)

ウェイトレスのお姉さんに注文を預けた。
対面の相方は、まだメニューを見て検討している。

そして、ゆっくりと口を開いた。

「エ~ト・・この、リンゴとベジタブルのジュースをください。」

(!?)

いつものコーヒーではなく、どういうわけか今まで飲んだことのない、かなり変り種のジュースを指名してきたのである。

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驚きのあまり、思わずそのようなことを口走ってしまう店員さん。
そして、あまり発注する人がいないせいなのか、そのメニューの詳細な説明を始めたのである。

「これはですね!小松菜とブロッコリーが入ってまして、それにリンゴとレモンを加えてあるジュースなんですよお。『飲みやすい青汁』って感じですね!」

ニコニコとうなづきながら説明を聞く相方の横で、私は敗北感に打ちひしがれていた。

(意外性・・・!)

いつものコーヒーにゆくと見せかけて、意外性に富んだメニューを発注する呼吸・・・!
結果、相方は知ってか知らずか強く相手に印象を残すことに成功していたのだ・・・!

『いつもの』を獲得し、ようやく肩を並べたかに見えたのも束の間。
相方は、またもや私を軽々と抜き去っていったのである。

我が相方ながら、恐ろしい女だと戦慄したことは言うまでもない。

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コメント

さすが、相方さま・・・
人の心理を知り尽くした一手です!
しかも、頼んだものがたいして誰も頼まないモノ
さらに印象は濃く深く…
寿さんの次の一手に期待します!

投稿: ました | 2005/06/10 11:32

しかも、もしかしたら相方さんは全く無意識の行動で、ただ単に珍しいものチャレンジャー魂が燃えただけとか・・・・・・それはそれで、やっぱり凄いケド。
やっぱり寿さん、勝てませんねぇ~。

投稿: RYO | 2005/06/10 13:35

いや…やっぱ読まれてるよ、言戯。

いつものお姉さんは
「寿さんを焦らしている」に違いない。

と、勝手に伏線を読んでみた。

投稿: はぁちゃん | 2005/06/11 01:39

>ましたさん
> 寿さんの次の一手に期待します!

・・期待はしないでお待ちください・・!
(すでに気持ちで負けている)

>RYOさん
>もしかしたら相方さんは全く無意識の行動で、ただ単に珍しいものチャレンジャー魂が燃えただけとか・・

いや、まったくそのとおりです。
私が勝手に打ちひしがれているだけなのですよ。

>はぁちゃんさん
>いつものお姉さんは
「寿さんを焦らしている」に違いない。

プレイ・・かあ・・。
イヒ。

投稿: 管理人@寿 | 2005/06/18 09:40

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» いつもいつでもいつものではない [よもだでええがね。]
みなさんには、『いつもの』と言うだけで注文が通じる、いわば"馴染みの店"というの [続きを読む]

受信: 2005/07/25 01:32

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