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若者たちの話。

e-0607

先日、軽く食事を摂ろうと、某最大手軽食店に立ち寄った。

長くなった日も、さすがに勢力を衰えた夕暮れは、急激に夜の闇が侵攻してきている。
店内は、2階席が清掃中ということもあって混み合っていた。

自分に宛てられた食べ物を載せたトレイを小さなテーブルに置く。

すぐ横のテーブルには二十歳そこそこと思しき若者が3人くすぶっている。

一人は椅子の上に体育座りのようにうずくまり、
一人は背もたれの上に腰掛けている。
そしてもう一人は目いっぱい通路に足を投げ出し、いや、投げ出しているというより、何かを落し物をしてそれを足で手繰り寄せているような格好だった。

つまり、この3人の若者はどうやら座り方にこだわりがあり、個性を演出したいようだ。

3人は、チラとこちらを見たがすぐに興味を無くし、自分たちの話の続きを始めた。
その声は大きい。

聞き耳を立てるつもりなど無くても聞こえてきてしまう。
そこで、仕方なくこちらも聞き手として参加することにした。

体育座りは携帯電話を弄くりながら言う。

「なんかさあ。人と違うことがしたいんだよなあ。」

斜め座り。

「でも、違うことすんのって才能とかいんだよな。」

「大体さ、人と違うことがしたいって言ってる時点で凡人なんだよ。」

「オレ、自分に才能とか無いのは分かってっからさ。」

背もたれに腰掛けているのは、黙々と携帯電話をいじっているようだ。

「凡人はさ、普通に生きるしかねえんだよな。」

「でも、普通に生きるってつまんねえしな。」

「だからって何するかっていうと・・・」

「音楽でやってくとか・・・?」

恐る恐る切り出したように見えた。

「音楽はさあ・・・。」

ここで一気にトーンダウンする一同。

「オレがダメでもいいんだよ、妹、大学行ってて、ちゃんとしてっから。」

「なんか、でっかいことがしてえよなあ。」
 
 
 
などという話を延々としていた。

自分の限界に気づいて、でもまだ諦め切れなくて、何か無いかと思っているらしい。
彼らなりに模索しているのだろう。

普通に生きても、普通に生きなくても、生きている限りは

「これでいいのだろうか?」

の連続なのだ。
私だって、毎日

「どうしたらいいだろう?」

の連続だ。

きっと、「生きている人」は「あー!どうしよー!」と「あー、なんとかなった・・」の繰り返しなんだよ。

だからね。
模索仲間なんだよ。

座り方はアレだが、君らはエライ。

少なくとも、現実を見据えて、「どうにかしたい」と思っているのだから。
ちょっと「才能」とかの限界を感じて、諦めが入っちゃってるようだけど、自分の限界を見られるなら、そこを超える方法だって考えられるじゃないの。

なんでも人のせいにして、現実から目を背けるクセがついたら、そっから抜け出すのは大変だよ。

君らは、ツライ現実を見せないようにする誘惑だらけの世の中で、ちゃんと生きているじゃないかと思う。
そんで、それを語り合える仲間がいるっていうのが、一番の財産なんじゃねえかなあ。

もがいていば、何かの拍子に道が見つかるかもしれないしさ。

みんなそれぞれに何かとツライんだけどね。
お互いに頑張ろうよ。

と、ちょっと涙ぐんでコーラをすすった。

外はすっかり日も暮れたようだ。

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コメント

みんな同じなんだよね、若くても中年になっても更に年取っても・・・・・・。
ただ、変に恥ずかしがらず口にできる、それが羨ましい。大人になると、文章にして書けても、人と言葉で模索し合うことがなかなかできなくなってきてしまって。

そうそう。20代前半の時、男友達と飲みながら彼らと同じように語り合ってたら、隣に座ってた知らないおじさんがビール奢ってくれたことがあったよ。
「頑張れよ」って。

投稿: RYO | 2005/05/11 15:43

あまりにもタイミングのいい記事にビビりました。

…僕も今、モガき、模索し、さまよいまくりなのです。
近々「たろぐ」で記事にしてトラバ打ち予定ですが。

ところで、先日の「虎の穴」における寿さんの発言のおかげか、16日の「週刊ココログ・ガイド」に「たろぐ」が掲載されるらしいです。

ではでは。

投稿: たろー | 2005/05/11 19:23

人間は辛さに慣れると駄目になる・・・
と、1度老人ホームにボランティアに言ったときに言われたのを今でも覚えています
辛いところから這い上がったり
模索したりするのが
成長とか成功につながるんですよね!
と、自分のキャラに合わないことを書いてすみません

投稿: ました | 2005/05/11 20:40

愉しい…愉し過ぎる。
毎日見たいブログを遂に見付けましたよ!!
勝手にお勧めに登録しちゃいましたけど、許して下さいね!!
また来ます、最高です!!

投稿: kyouhei | 2005/05/11 23:43

はじめまして。
3月21日の河北新報に載っていたので 
すぐに開きたいと思っていたのに、
夫が裏面の「愛・地球博」を見るために
自分の所にもって行ってしまいました。

先ほど 私の手元に戻ってきたので さっそく
「言戯」で検索して 拝見しています。

イラストもご自分で描いていらっしゃるのですか~?

この若者への観察眼と描写力、文章力、暖かい目、
とても興味深いブログです。時間を見つけて またお伺いしなくちゃ。

投稿: hayasi | 2005/05/12 08:44

こんにちは。
タイミングの良い記事なので宣伝も兼ねておじゃましました。
若い2人の青年が、新しいことをしようと無謀にも思える声がけをしてできたウェブ・マガジンがあるんですよ。私もライターとして参加させてもらってます。
若者の「何かしたい」という呼びかけに応じて集まったのは、意外に年令の高いライターたちでした(笑)。若い方もいらっしゃいますが。

でもね、母のような気持ちで見守っているんですがね、若者達には創造することにかける才能とパワーは溢れるほどあるのに、宣伝力や営業力が足りないんでしょう。広いネットの世界でせっかくの作品が埋もれちゃってます。私なんか、これうまく使えば就職活動にもプラスになるだろうになあ、って思っちゃうんですが、そこは若い人の潔癖さでしょうか。全然そういう風には利用していないみたいです。

寿さん、気が向かれたらぜひのぞいてやってください。
http://otokoto-magazine.com/

投稿: なおこ | 2005/05/12 09:35

>RYO さん
姉に言われました。

「私も25~8くらいまではいつもどん底気分だったよお。」って。

(一番上の)姉と私は似たような道を歩いているので、ちょっと響きましたねえ。

>たろーさん
トラバ感謝です。

コメントしておきました。

ココログガイド掲載おめでとうございます!
っつーか、今まで載っていなかったのが不思議でならないのですが。

どういう紹介されるのか、月曜日がたのしみですね。

>ましたさん
ましたさん・・カッコエエ~・・。
と、冷やかしてみたり。

すみません。
ナイスなコメントです。

>kyouhei さん
こんなステキなコメントをくれる貴方も最高です!!

>hayasi さん
河北ということは、同県の方ですかねえ?
イラストはすべて自作です。

お褒めの言葉ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。

>なおこ さん
わかりますねえ。
そういう青臭い潔癖というか。

私もアフィリエイトの一つもやればいいのでしょうが・・サイトの雰囲気を壊したくなくていれてません。

イイトシこいてロマン優先。

そして貧乏。
そして相方にも迷惑が・・・。

トホホ・・。

投稿: 管理人@寿 | 2005/05/12 23:49

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