よく晴れわたった空が、新緑のフチを輝かせている月曜日。
いつものようにメールチェックや、方々への返信などを済ませ、本業への準備を始めようかというところに、
「トシさ~ん!お客さんだよ!」
という声がかかった。
その日には、予約も約束も入っていない。
(お客さん??ピザでもないし、一日陶芸教室のお客さんかな?)
と思いつつ、囲炉裏スペースへ移動した。
囲炉裏の周りに敷かれた座布団に、二人の人間が座っている。
一人はガッシリと均整のとれた体つき。
さわやかな顔立ちにメガネをかけた男性。
もう一人は、その相方と思しき女性。
長い髪がフワフワとカールして、楽しげな目元。
笑顔がよく似合いそうな顔つきだった。
面識は無いのだが、二人は私の顔を見て何故か拍手喝采している。
(???・・誰だんべ?)
失礼ながら、困惑の色を隠せない私。
とりあえず、囲炉裏の反対側に腰を下ろし、挨拶をする。
「おはようございます~。え~と・・・?(どなたでしたっけ?)」
二人は示し合わせたようにペコリと頭を下げ、男性の方が自己紹介を始めた。
「あの、はじめまして。ネットの方でお邪魔している、ハンドルネーム『元気』です。」
元気さんといえば、このブログでたまにコメントやトラックバックをくれる人ではないか。
「ああ~!!元気さん!!たまにコメントとかくださる方ですよね!どうも、はじめまして~!」
突然訪れた「言戯」読者との出会いに、驚きと嬉しさがない交ぜになる私。
元気さんは青森県在住。
趣味の自転車(オフロードのアレです。)のレースに出場するべく宮城県に来たついでに、せっかくだからと、ウチまで来てくださったのだという。
元気:「住所も電話番号も分からなくて、お店の名前を頼りに来ました。」
と、二人で笑っている。
「よく来られましたねえ。住所も電話番号も知ってるのに来られない人の方が多いんですよ。スゴイ!」
本気で感心する。
元気:「途中から看板があったんですよ。茶色の。アレですぐに分かりました。」
寿:「ああ~、あの看板ね。アレ、いいでしょう。私が作ったんです。」
つまらない自慢をする。
元相方:「やっぱり!ね?言ったでしょ?絶対あの人が書いたんだって。」
元気さんの相方(以下・元相方)が笑っている。
元気:「いやね、看板の文字が面白いじゃないですか。『今こそ左折!!』とか。(笑)だから、絶対、寿さんが書いてるんだって二人で話してたんですよ。」
寿:「ああ、アレですね(笑)。本当はもっとふざけた内容にしようと思ったんですけど、あんまり長いと・・」
元相方:「読めないから(笑)」
寿:「そう。読めないから。(笑)読もうと思って事故られても問題ありますからねえ。」
元相方:「あはは!あの看板があったばかりに・・って。」
寿:「そうそう。事故でグシャグシャになりながらも、収容先の病院で、『あの看板の続きが気になる・・ぐふっ』とか言って事切れちゃったりね。(笑)」
一同:「あっはははははは!!」
元気:「でもすみません。こんな早く来ちゃって。本当は『ゆっくり探しながら行こう。』って話してたんですけど・・」
元相方:「思いのほかすぐに来れちゃって。(笑)で、来てみたら他に車も停まってないし、『もしかして休みだったりして・・』とか話してたんですよ~。」
元気:「そうそう。休みだったらこの人(相方)、『戸をドンドン叩いて呼ぼう!!』って言うし。(笑)」
寿:「『あけてください!!』みたいな。(笑)」
元相方:「『青森から来たんです!!』とか叫んだりしてね。」
一同:「あっははははは!!」
寿:「したら、俺、顔だけヒョコッと出して『うっさいな!!』とか言ったりしてね。(笑)何故か、居留守使うとか。ノリで。」
元相方:「ここの住人の方に、『寿さんいませんか!?』って聞きますね。もう、意地で探す。」
寿:「ほしたら俺、酒屋の格好して、ビールケース持ちながら『最近見ないねー!』って言いますよ。」
元気:「ああ。」
元相方:「あれね。」
寿:「アレですよ。」
一同:うっふふふふふふ。
元気さんと、相方さん、寿の話はどんどんつづく。