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袋とじとの遭遇

週刊誌をパラパラと流し読んでいると、巻末においてかなりの確率で遭遇するもの。
それがいわゆる「袋とじ」というヤツである。

いつものことながら、この「袋とじ」というものの扱いには、ほとほと手を焼かされるのだ。
 

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「袋とじ」というものは、その存在自体が非常に恥ずかしいものである。

その内部を見るという事は、眺めていても自然と目に入ってくる「受動的」なグラビアとは違い、自らが時間と手間ひまをかけて、内部の閲覧を求める「能動的」な手順を要求されるからだ。

つまり、袋とじに手をかけるという行為は、それそのものが「劣情」の肯定ということであり、一切言い訳が許されない境地への片道切符を手にするという覚悟が必要となる。
 
 
 
袋とじというものは、非常に厄介なシロモノである。

「見られない」ということが、多大な付加価値を生むからである。
袋とじの真髄は、「もったいぶり」であると言っていい。

足を踏み入れるかどうかは、表紙と背表紙で決まる。
そこに、

「とりあえず開ける」

という安易な選択肢は到底持てない。
何故ならば、自身もかなりのリスクを背負うのだから、そこは慎重に慎重を重ね、万全で臨みたいと思うからである。

表紙などから、まったく好みが合わない場合、

「とりあえず眺める。」

という選択肢が出てこないのも、「袋とじ」の特徴のひとつではないだろうか。

「スルー可。」

という潔さがある。

だがしかし、直感的に「見てみたい!」と感じてしまった時(つまり、自分好みだった時)。
これが困る。

まず、人の気配を察知するのに困る。

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袋とじというものは、飽くまでもグラビアの延長であるから、「専門誌」とは根本的な相違がある。
つまり、しかるべき場所で見る必要性が無いのだ。

「眺める」のが正しいと作法であり、一人である必要が無いのだ。

かと言って、袋とじを開けているところというのは、絶対に他人に見て欲しくないところである。
もし、逆の立場、すなわち、他人が袋とじを懸命に開けているところに出くわしたとしたら、私だって気まずい。

きっと、

「あ、すみません。」

と言って立ち去らざるを得なくなるだろう。

だから大人のマナーとして、

「袋とじ開封の儀」

は単独で、なおかつ周囲に気を配りながらしめやかに執り行うというのが正しい。
 
 
 
さて、いよいよ開封である。
ここで問題となってくるのは、道具の選択だろう。
ペーパーナイフなどが手元にあれば何の問題もないが、大抵の場合無いことが予想される。

それに、ペーパーナイフというものは、どこか「紳士の持ち物」然とした雰囲気がある。
紳士には、袋とじなどに関与しない人生を歩んで欲しいし、ペーパーナイフにも袋とじなどを切らないナイフ生を送って欲しい。


ついでに言うと、ハサミもあまり良くないような気がする。
使ってみると、意外に切り口がギザギザになってしまうケースが多い。

「ナントカとハサミは使いよう」

というので、もしかしたら使い方が悪いだけなのかもしれないが。
 
 
 
やはり、週刊誌の袋とじと言えば、カードによるカットが一般的ではないだろうか。
名刺や、会員証などのカードが良い。

テレカが最も使いやすいとは思うが、携帯電話が普及しきった昨今、懐にテレフォンカードを常備しているのは、私くらいなものではないか。

名刺を使用する場合、その名刺の持ち主に悪いような気もするが、きっと自分の名刺もどこかで袋とじ開封に遣われているに違いないと思えば罪悪感もかなり薄れるはずである。
 

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袋とじというものは、この切っている時間が実は一番楽しいと思う。


秘匿されているものを暴くという期待感がある。
背徳的な行為に及んでいるという興奮もある。

ピリピリと慎重に事を進め、やがて袋とじは完全に開かれる。

そして、価値を失う。
 
 
 
袋とじは、袋とじであるからこそ価値がある。
開封する動機となった表紙と背表紙も、秘匿されている部分があったからこそ光っていたことに気づいてしまう。

開いてしまえばただのグラビアなのだから、それはいたしかたない事だと言える。
 
 
 
袋とじというものは、大抵が開けてみるとがっかりする。
そして、最初から開いていると、それ以上にがっかりするものである。
 
 
 
袋とじというものは、「開けない事」に楽しみの本質があるような気がする。

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コメント

寿さん、寿さん、
目に味ノリついてますよ!

投稿: そふぃ1978 | 2005/02/27 11:55

それでも開けてしまうのが、男のサガ。
何度失敗しても懲りないのも、また、男。

投稿: RYO | 2005/02/27 12:47

ミシン目がついていて簡単に開封できる袋とじって、失敗しづらくていいですよね。

というより、他の人がいそうなところで袋とじ開けたことってないんですが('-';

投稿: たい | 2005/02/27 15:33

あ、カードで開けられるんですね。
ここ数年袋とじはヤングジャンプであろうと
開けたことがなかったので知りませんでした。
さすが寿さん!
ひょっとして、いつの間にか我が家の雑誌の
袋とじが開いているのは貴方の仕業ですか?

投稿: ゆう | 2005/02/27 23:38

>名刺、会員証、テレカ
ポイントカードもなかなか使えます。

>Tさん
眼鏡に木炭乗ってますよ!
アセを拭くのはSチさんですか?
素敵なお店で飲んでますね。

…出版社の魔術に嵌ってますなww


投稿: はぁちゃん | 2005/02/28 01:28

>そふぃ1978さん
いえ、アレは私ではありません。

したがって、味ノリもついてません。

>RYOさん
失意に打ちのめされながら、開封用カードを手放せないのもまた、男。

>たいさん
私、ミシン目もよく失敗します。

あ、と、Tさんが言ってました。

>ゆうさん
いえ、私ではありません。

きっと袋とじフリークのTさんの仕業でしょう。

> はぁちゃんさん
いえ、あれは私ではありません。

したがって、木炭ものっておりません。

投稿: 寿@管理人 | 2005/02/28 17:49

ちなみに、「誰の袋とじなのか?」に非常に興味を持った私は、すでに紳士ではありませんね…。

投稿: tatsu | 2005/02/28 18:04

うーむ。

ひっかからなかったか・・・

Tさん手強いですね。

投稿: そふぃ1978 | 2005/02/28 18:31

>tatsuさん
ええ。
オッチャンですな。

>そふぃ1978さん
Tさんは海千山千ですからね。

投稿: 寿@管理人 | 2005/03/01 16:36

ハワイで買ったペーパーカッター持ってます♪
紳士かな、紳士かな♪♪

投稿: るるが | 2005/03/02 19:01

君の場合、淑女が正しい。

投稿: 寿@管理人 | 2005/03/03 09:22

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