バックシャン保護シール
公共交通機関(バス・地下鉄など)を日常的に利用していると、3ヶ月に一回くらいの割合で、
「めっちゃスッゲエ美人」
に遭遇する。
たろーさんは、「美しい人」を発見して、相手に「貴女は美しい」と伝えたい衝動に駆られたそうだ。
しかし、公共交通機関の中で話し掛けるのは「ナンパ」としか取られないという現実にぶつかり、断念。
なにか画期的なシステムはないものか。
あの美しさを、広く世間に知らしめることは、できないのか。
と歯噛みして悔しがっている。
その気持ちは、痛いほどよく分かる。
私も、女性を見るのが大好きである。
「見る」というより、「鑑賞する」と言ったほうがしっくりくるかも知れない。
色恋でも、肉欲でもなく(それもちょっとあるかも知んないけど)、単純に「綺麗なもの」としての女性を観るのは、実に楽しく、有意義な時間なのだ。
そして私は、
「あの美しさを、広く世間に知らしめる画期的なシステム」
として、
「デジタルの魔法」
を使う。
有と無の織りなす電脳世界に、自分なりの文章と絵で美しさを紡ぎ出し、残すのだ。
それがすなわち
なのである。
(おお~、なんか、荘厳な始まりになったナ)
昨日の事。
街に散策に行くべく、私は地下鉄に乗り込んだ。
乗客はまばらで、ところどころ席も空いていたのだが、妙なこだわりが座る事をよしとしない。
出入り口と反対のドアにもたれて立つのがいつもの指定席であり、そこからチラチラと車内の様子を観察するのが常となっている。
二駅ほど過ぎたところで、ふと目の前に佇む後姿の女性が目に入った。
長めの真っ黒な髪、小柄な体躯を真っ白なコートで油断無く包み、黒のロングブーツ。
立ち居姿がとても綺麗な女性であった。
いわゆる
「バックシャン(後姿美人)」との邂逅である。
バックシャンに出会うと、人は必ず次の欲求が生まれる。
それはもちろん
「顔を見たい!」
ということ。
後姿に惹かれた心は、顔を確かめる事で美しさの完成、または崩壊を確かめずにいられなくなるのだ。
しかし、女性は出口方向を向いたまま、こちらを振り返る様子はまったく無い。
かといって地下鉄の車内で、わざわざ前に回りこみ確認をするわけにはいかない。
それでは単なる変態ちゃんである。
飽くまでも今いるこの場所から極力動かずに確かめるしかないのだ。
その時である。
発車ベルが鳴り響き、車両がゆっくりと駅を出始めたのだ。
「しめた!」
私は思わず笑みをこぼした。
このまま駅を出て地下の真っ暗な場所に入れば、向こうのガラスに反射して、この場所から丁度顔が見えるのである。
固唾を飲んでその時を待った。
電車は、先頭から次々に暗闇に飛び込む。
ほどなく私の乗る車両も暗がりに入った。
私は意を決して、ガラスに映った女性の顔に目を凝らした。
「!!!?」
なんと、出入り口のドアに貼られたシールが、絶妙に女性の顔を隠してしまっているのである。
狙い済ましたかのようなポイントに貼付されたシール。
それはまるで、稀少なバックシャンを無粋な好奇心から守る、
「バックシャン保護シール」
のようにも思えた。
私はしばし愕然としていたが、不思議と納得もしてしまった。
つまり、私と彼女との関係は、どこまでいっても「他人とバックシャン」なのだ。
それ以上踏み込むのは美しくないという啓示を受けた気がした。
美しいものは、美しいと感じる心が美しく、過程を楽しむものなのではないか。
それに干渉したり、詮索したりして結果を出す事はないのだ。
次の駅で私は降りた。
その後姿の美しい女性をなるべく見ないようにした事は言うまでも無い。
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コメント
命名させたら日本一。
恐れ入りやした~~。
投稿: mariko mam | 2004/12/22 23:11
手鏡とかは常時携帯して無いだろうな?(* ̄▽ ̄)
投稿: ブログ警察 | 2004/12/23 02:14
美人…微妙に…
なるほど、ですね。なんかそう言う神さまのお告げだったんですよ「これ以上この女性を見つめるようなら天罰を下す」みたいなのですか?(聞いてどうする)
だから、見えなくて、良かったですよ!
投稿: るるが | 2004/12/23 07:43
嘉門達夫センセの歌にこんなのがありました。
後ろ姿はいい女~
後ろ姿はいい女~
前に~回れば …どアホぅ!
思い出はそのまま、美しいままで。
投稿: たい | 2004/12/23 10:46
最近、トリートメントwithストレートパーマしてるミドル女性が多くて困ります。後姿は20代、振り返れば…(!)。前後のアンバランスが大き過ぎます。
そんな時当然、私の心のバランスも崩れます。危険な世の中ですね。
投稿: 一突。 | 2004/12/23 22:48
同姓からも、きれいな女性の後姿とメイン(正面)は
気になります。
私的には、佇まいがきれいな人は、心もきれいなはずだと
思いたいですね。
ちなみに「バックシャン保護シール」は
わが地元の私鉄では、カニさんの絵ですが、
これは全国共通だと思っていましたが、
そんちょさんの地元ではどうですか?
(そのカニのイラスト、左右のハサミの大きさが
微妙に違いまして、幼い頃から気になっていたんです。)
投稿: fanshen | 2004/12/24 07:55
>mariko mamさん
いや~ん!
誉めすぎ!
>ブログ警察さん
手鏡はさすがに持ちませんが、姿見なら常時携行しています。
>るるがさん
そうそう。
世の中、知らなくて良い事もある。
そういう事ですね。
>たいさん
とりあえず、私の中ではあの女性は美しい思い出のままです。
>一突。さん
たしかに、表と裏のギャップは心理的外傷を被るには十分過ぎますね。
敢えて後姿の綺麗な人は前を見ないというマイルールも必要かも知れません。
(そうか?)
>fanshenさん
ドアに手を挟むな!
とかそういうやつですか?
たしか、宮城もそうだったような・・。
緑の色でした。
投稿: そんちょ | 2004/12/26 09:01