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拒絶空間

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ナントカと煙は高いところが好きだと言う。
私は煙ではないので、もう一つのナントカという事になる。
そのナントカは敢えて触れない事にしておいて、つまり、高いところが好きなのだ。

ある日の事。
私は地上31階、高さ145.5mの高みにいた。
仙台で一番ノッポのそのビルは、仙台駅の西口にある。

最上階から見える光景はまさに絶景で、東側の展望台からは太平洋が見え、南側の窓からは私の住む七つの山がハッキリと眺望できた。

私は思わず時間も忘れ、その風景に見入っていた・・。
 
 
 

ということは無く。

襲い来る吐き気と、眉間の激痛に耐えていた。
エレベーターに乗った時から少し後悔していたのだ。

早すぎるスピードのエレベーターの影響で脳の血液を大量にクルブシのあたりに持っていかれ、普段あまり感じない上からの重力が胃液を押し下げ、箱が止まると同時に慣性の法則に従ってこみ上げてくるのである。

つまり、肉体全域に
「マーライオン注意報」

が発令されるという事態に陥っていたのである。

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最上階は異様なほどに静かで、展望台からの眺めはなるほど素晴らしいの一言なのだけれど、何しろ上空(と呼べる)は風が強く、「びゅうびゅう」と低く聞こえるその音は、

「ここはオメーの来っどこでね!早ぐ帰れ(けーれ)わ!」

と言われているような錯覚さえ感じた。
その上、これだけ高いと当然といえば当然なのだけれど、足元がかすかに揺れている。
これが不安感を増幅させ、この空間が自分を拒絶しているということが良く分かったのだった。

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私はもう、いてもたってもいられなくなり、すぐさまエレベータのボタンを押した。
145mも下にある箱は、さすがになかなか最上階まで来ない。
眉間と胃を抑えながら、
「早くしてくれ~・・」
と祈るばかりであった。

降りのエレベーターで乗り合わせた、同年代くらいのお兄さんは、ここに勤めている人なのか、まったく涼しい顔で乗り込み、携帯電話をいじくっていた。
一緒に乗った人間も平気だった事からも分かるとおり、おそらく私が異常に敏感なのだろう。
 

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ようやく一階にたどり着き、まだクラクラする脳と、チカチカする目と、グログロ言っている胃を抱えながら地面を踏みしめ、安堵の心地を味わった。

つくづく自分は地べたを歩いて生きる人間だと言うことと、ハンパに高いところは好きだけれど、メチャメチャ高いところはニガテだという事を思い知り、もう二度とこのビルの最上階には行くまいと固く心に誓った事は言うまでも無い。

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コメント

ボクの拒絶空間は「遊園地」。
特にジェットコースターがこええ。
スペースマウンテンでもこええ。
顔面蒼白。おおイヤだ。
ヨメは顔面蒼白の自分の横で、ジェットコースターではなく、怖がっている自分を楽しむのが好きなようです。
もうゼッテェいかねぇ。固く誓ったのは言うまでもない。

投稿: テツヤ | 2004/12/06 23:37

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