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イラッシャイマセコンニチハー

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特にコンビニなどで多いのだが、いつの頃からか、「イラッシャイマセ~」の後に、「コンニチハ~」と付くようになった。

つまり、
「イラッシャイマセコンニチハ~」である。
略して「イラコン」である。
(糸コンではない。略す必要性も無い。)

この、イラコンは非常に困る。
入店早々居心地の悪さを抱えねばならない。
なぜ、無辜の一客に過ぎないこの私に、そこまでの過酷な運命を背負わせるのかと悲嘆に暮れてしまうのだ。

何故かというと、
もともと「イラッシャイマセ~」と言うのは、「あなたがお店に入ったのを確認しましたよ~。」と言う意味があったはずで、店の主である店員さんの「イラッシャイマセ~」を聞いて、一人のさすらいの人生の旅人に過ぎなかった自分が、初めて「お店」という、「店員」、「品物」、「お客さん」の三要素で構成される空間の、「お客さん」という地位に認められたことを知る儀式だったはずなのであり、「イラッシャイマセ~」に、お客さんは黙然と、「む。今、自分は客になったな。」と納得すればよかったのである。

しかし、「イラコン」はどうだ。

「イラッシャイマセ」が、認識の儀式だったのに対し、「コンニチハ」は挨拶なのである。
挨拶には挨拶で返さないと、非礼に当たるではないか。

しかし、店の入り口からやや遠いレジから「コンニチハ~」と言われ、あるいは商品を並べているのか商品棚の間から、姿も見えない相手に「コンチニハ~」と言われ、しかも、「いらっしゃいませ、こんにちは!」という人間味ある挨拶ではなく、「イラッシャイマセコンニチハー」という、いかにも「意味や感情無く言ってます感」の強い機械的音声に、果たして「こんにちは~。」と返せるものだろうか。

大抵は無理である。
仕方が無いので、これは「イラッシャイマセ」の一部で、別に挨拶の返事など期待されていないんだと自分に言い聞かせ、少しうつむき加減に品物の物色を始めるのであるが、やはり挨拶されてそれに返さなかったというのは、もし、反対の立場だったとして、「こんにちは~」と言ったのに、相手に無視されたら気分悪いよな~とか、いやでも、他の人も返してないし、きっと言った方も挨拶を返して欲しいとは思っていないだろうとか散々にぐるぐる考えを巡らし、しまいには「あの人、挨拶も返せないのよ」とか、「親の顔が見てみたいわね」とか、「きっと、人付き合いが出来ない人なのよ」とか、後ろ指さされている気がして、非常に肩身狭く、居心地の悪い気分を味わう事になってしまうのである。

しかもである。
レジなどに商品を持っていき、会計をしてもらう時にも「イラコン」は来る。

「イラッシャイマセコンニチハー」
と、下を向いたままレジを打ち始めるのであるが、さすがにこの距離だと相手の「コンニチハ」に反応して、
「はい。こんにちは。」とつい言ってしまうのだ。

すると、大抵のレジの人はちょっと苦笑する。
ボクもちょっと照れる。

「イラッシャイマセコンニチハー」は、挨拶を微妙な立場に追いやっている気がしてならない。

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コメント

挨拶には挨拶で返さないと、非礼に当たるではないか

⇒ 同感ですネ

  今度 挨拶返し実践してみます
  (会社の後輩にやらせよう
   自分でするのは 恥ずかしい)

投稿: 和パパ | 2004/09/05 09:59

え!
挨拶返しは自分でやらなきゃ!
後輩にやらせるなんて!

そんな!
でも、挨拶を返して笑われるのは、納得できません。

投稿: そんちょ | 2004/09/05 12:58

苦笑じゃなく、にっこり笑い返してほしいですな。
そうすると、ひょっとして俺に興味があるのか?妻も子もいるけどいいですか?てな妄想が湧き上がって色々と波紋を呼ぶかも…。

投稿: Akkey | 2004/09/05 13:52

呼ばないと思う・・。

投稿: そんちょ | 2004/09/05 16:59

「おばちゃん」になると、これも怖くないわ!
「イラッシャイマセコンニチハ~」にはかんぱついれず「はいどうも、こんにちは」と返します。
ええ、おばさんですとも!

投稿: 編み助 | 2004/09/05 17:34

子連れだとこれ、実に困ります。
「ちゃんと挨拶しなさい」
と教えている手前、「コンニチハ~」と言われたら
返さないわけにいかない。
でも、あの妙に高い歌うようなイントネーション、ついつられちゃうんですよ。平然と「はい。こんにちは」と返せるようになりたいものです。
もっとも子連れだと、店内に駆け込むと同時に「こんにちは~!」と先制攻撃をしかけるという奥の手もあります。

投稿: なおこ | 2004/09/05 20:54

どもです。
武田観柳斎の人も、トリビアの泉の最後、金の脳を開けるときに「いらっしゃいませこんばんは~」と言っていますよね。ブームなのでしょうか?

投稿: nako | 2004/09/06 00:29

>編み助さん
ああ、あなたはそれを許されるキャラクターだね。
ある意味人徳だ。
いいなあ~。

>なおこさん
いっそ、「イラコン」には、こちらも「イラッシャイマシタコンニチハー!」で対抗するしかありません。
そして、このムーブメントを全国に波及させ、コンビニの店員さんのblogに「最近、お客さんがみんなイラッシャイマシタコンニチハーになって困ります。」といわれましょう。

では、先鋒は任せましたよ!
がんばって!

>nako さん
あの、手の動きがやらしいんですよね。(笑)

投稿: そんちょ | 2004/09/06 08:15

 ちょっといい和風旅館なんかで、「それでは女将からの挨拶でございます」なんてのが一番困るような・・・恐縮しちゃうんですよ。例えばお忍びで来てたとしたら(誰とよ!)、もう、出来るだけ隠れていたいわけだし・・・

 というわけで、経営者サイドが商習慣として、他の同業と異なった新しいことやりたいのは、わからないこともないけれど、「いらんおせっかいはするな。」ということでしょな。

投稿: しながわ | 2004/09/06 18:54

そうですねえ。
心遣いは分かるし、嬉しいのですが、ちょっと気まずいなあ・・。
ということも、ままあります。

ちょっと違うのですが、床屋さんで洗髪している時に、「痒い所ありませんかー?」と聞かれるのも困ります。
あっても説明するのが面倒だし、何よりあの前かがみの身動き取れない状況で言葉を発するというのが何故か恥かしいのです。

多分、私だけでしょうが・・。

投稿: そんちょ | 2004/09/08 08:03

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