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名探偵

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fanshenさんは、かつて探偵になりたかったのだが、高校の頃の先生に阻まれ、挫折したそうである。

一見、夢の無い教員に夢を潰されたようにも見えるこの話であるが、実はその裏に、この先生の生徒の将来に対する真摯なまでの配慮があった気がしてならない。


探偵になると言うのは、実はそんなに難しい事ではない。
何故なら、探偵になるために必要な資格というものは無いからであり(「あったほうがいい」資格は沢山あるようですが。)、「私は探偵です!」と公然と名乗り、自宅に「fanshen探偵事務所」と言うカンバンを付けてしまえば、その瞬間から立派に探偵となれるのである。
(そういった意味では「陶芸家」も同様である。)

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なるのは実に簡単な探偵ではあるが、探偵には大きく分けて二つの探偵がある。
主に、素行調査や、人探し、迷いネコの捜索などでで口を糊する「職業探偵」と、
殺人事件の解決、富豪の遺産の謎解き、怪盗との対決などを専門に扱う「名探偵」である。

今の日本では、「名探偵」の多くは、目を覆わんばかりの不遇を囲っている。
fanshenさんの高校の時の先生は、そのことを知っていたのである。
だから、生徒の「名探偵志望」を、なんとしてでも阻止したのだろう。

さて、では何故、「名探偵」は、そんなにも忌避されるのであろうか。
その理由と、現在の実情を述べてゆきたいと思う。
 
 
 
「職業探偵」には、基本的に服装の制限は無い。
しかし、「本格派探偵」には厳しいドレスコードが用意されているのだ。
鹿猟帽、ケープ付きのコート、パイプ、虫メガネである。
これらの装備を怠ると、世間一般から「探偵」と認知されるのは難しいとされていた。

しかし、最近ではその常識を根底から覆す異変が起きたのだ。
 
 

学生名探偵の台頭」である。

 
 
 
彼らは、伝統の服装を一切無視し、ブレザー、Tシャツなどの軽装で殺人現場などを傍若無人に歩き回り、自らを「名探偵」もしくは、「名探偵の末裔」などと僭称。
学生の身分でありながら警察などと強力なパイプを構築し、週イチでキッチリ殺人事件、富豪の遺産の謎解き、怪盗との対決の仕事が回ってくるのである。

それだけでなく、番組改変時期には漏れなく大事件に遭遇するという、非常に強固な既得権益を有しており、「名探偵業界」への新規参入は非常にコナン・・いや、困難とされているのである。
(ただし、学生名探偵と警察の癒着は一部で大きな問題となっており、監査部の捜査のメスが入るという噂も実しやかに囁かれている。)


そして、「名探偵」を志す者にとって極め付きの障害が、「営業活動の違法化」である。

「名探偵」に要求される能力は、大きく分けて3つある。

①尾行能力

②情報分析能力

③洞察力

である。
他にも、変装能力などもあるが、ここでは割愛する。
「名探偵」は、それらを効率良く依頼者にアピールしなければならない。
そのためには、次のような営業方法が有効とされていた。

■ 尾行能力のアピール ■

対象をマークし、気取られぬ様行動する。
コツとしては、相手のクツをよく覚え、目を合わせないように一定の距離を保ち尾行する。
そして、対象のヤサ(住居)を突き止める。

■ 情報分析能力アピール ■

ついでなので、先ほど尾行した相手のゴミ袋を漁り、そこから相手の生活スタイルやプライバシーを事細かく分析し、言い当てる。

■ 洞察能力 ■

効率的に進めるため、やはり先ほど尾行し、ゴミを漁らせて頂いた対象の住居の前で張り、行動を観察し、洞察する。
それらをレポートにまとめ、インターネットなどで公表する。

ほんの数年前まで、これらの事を根気よく繰り返していれば、徐々に大きな事件の依頼も増加し、そのうちに殺人事件や、大富豪の遺産の謎解き、怪盗との対決などの花形事件も回ってくるようになっていたのであるが、最近ではこれらの事を総称して「ストーキング」と呼び、犯罪認定されてしまっているのが実情なのである。

以上の事からも、如何に「名探偵」になることが困難であるか、何故、あの時教員が止めたのか、分かっていただけたと思う。

そういった風潮が日本に蔓延し、「名探偵」は減少の一途をたどり、ついには絶滅寸前にまで追い込まれたのだが、「名探偵の現象」は、この国に昨今の未解決重大犯罪の増加をもたらしたのである。


時は移ろい、世の中は変わり、時代が再び「名探偵」を求め始めたのだ。

そういった事からも、今こそfanshenさんには、是非とも幾多の万難辛苦を乗り越え、見事、学生名探偵に肩を並べるような「本格派名探偵」になり、週イチで難事件を鮮やかに解決して、この国に、日本に平和をもたらして欲しいと願わずにいられない。

いつの日か、犯罪が減り、再び「名探偵」が不要とされるその日まで・・!

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コメント

トラバありがとうございます。(笑)
鋭いご指摘。当時取り寄せた探偵社の資料に
「研修1週間であなたも名探偵!」とありました。

尾行の必須アイテムとして、「該者の行動範囲内にある
公共の移動機関で常時使える回数券」は欠かせません。
それの有無によって尾行の成功率がかなり違います。

私が「本格派名探偵」になった暁には
「名探偵の斬新なドレスコード」を築くこと、
ここでお約束致します。

投稿: fanshen | 2004/09/04 01:25

そうですね!
是非、世界初のナース姿とか、チャイナドレスとか、エプロン姿とかで探索する、本格派コスプレ名探偵のスタンダードを構築してください!

投稿: そんちょ | 2004/09/05 12:54

爆笑してしまいました。
私もかつて「名探偵」になりたかった1人ですが(鹿打帽だって持ってるぞ!)、名探偵になるために必要な才能が1つ決定的に欠けているのであきらめました。

それは「事件に出会う才能」です。

名探偵は毎週月曜日の夜になると、必ず奇怪な殺人事件に出会います。どこで何をしていようと、です。酔っ払いのケンカとか手鏡でスカートの中をのぞいたみたいなケチな犯罪じゃなくて、名探偵が謎解きをするにふさわしい、謎に満ちた難事件です。警察官でない名探偵が活躍できるのはまさに「そこに居合わせたから」に他なりません。どうしたらそのような名探偵になれるのでしょう?

投稿: 山口 浩 | 2004/09/05 22:05

え!?
鹿猟帽、持ってらっしゃる?
それじゃあ、もうリーチかかってるじゃないですか!
ある意味、一番入手しづらい(と思われる)ものなのですから。
鹿猟帽。

世間とは、厳しくも不思議なもので(すみませんエラソウな事言ってます)、「名探偵」の格好をしていると、不思議に「名探偵」の扱いをしてくれるものだと思います。

「事件に遭遇する才能」なんてものは、後からついてきます。
なんども事件現場に居合わせれば、警察も役人ですから、面倒になって「ああ、今回もアイツ、呼んどけや。」ということになり、成り行きでゴールデンタイムのお茶の間をにぎわせる「名探偵」になれるはずです。

fanshen さんは、「コスプレ名探偵」の方向で進めるようなので、山口 浩 さんは、「本格派名探偵」として、一旗上げて頂きたいと思います。

私ですか?
二人がデビューした暁には、「名探偵プロデューサー」として打って出ますよ。
名前は「そんちょ♀」で。
女かよ!

投稿: そんちょ | 2004/09/06 08:10

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