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床屋と麻酔

いつも不思議でならないのだが、床屋さんで施される全身麻酔には何か意味があるのだろうか?
 
 
 
私の知る限り、髪の毛には神経は通っていないはずである。
ついでに血管も通ってはいないはずだ。
だから、散髪時には、麻酔も止血も輸血も必要ない。

しかし、髪を切りに行って、散髪台に座り、首に紙を巻かれ、布を被せられるところまでは、まったく眠気の「ね」の字も見当たらないと言うのに、霧吹きで髪を湿らせ、頭をクシャクシャ揉まれると

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落ちる。

自分でも、いつ寝入ったのか分からないほど、巧みに、そして迅速に落とされてしまうのだ。
恐らく、その前にシュッシュと霧吹きで吹きかけられる液体が麻酔薬であり、それが脳に直接効果を発揮し、意識を刈り取ってしまうのだと思われるのである。
クシャクシャと揉むのは、麻酔薬を頭皮に揉み込んで、効果をより大きくするための所作であろう。

散髪屋さんは麻酔のスペシャリストである。
なにしろ、麻酔が効いたかどうかの確認もせず、術式に入る。
恐るべき自信である。

しかし、何故麻酔を用いるのか、やはり分からない。
麻酔が効いている間というのは、意識が朦朧となり、首に力が入らず、髪を切っている間にも、頭はこっくりこっくりと揺れつづけてしまうのだ。
その度に、床屋さんはまったく動じる色さえ見せず頭をガシッと固定し、またシャキシャキ切り始めるのである。
こちらも、麻酔さえ効いていなければ首をしっかりと固め、変わりゆく己の髪型を凝視する事も出来るのだが、強制的に襲いくる睡魔はそれを許さず、固められた頭は、またゆっくりと崩れ落ちてゆくのである。

それでも床屋さんは文句一つ言うでもなく、また頭を垂直に立て、またゆっくりと前に倒れて行こうとする頭の動きに柔軟に対応しながら髪を捌いてゆく。

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プロ中のプロとしか形容の仕様がない技であるが、その技で魅了するべきお客さんは麻酔が効いて眠ってしまっているのである。
果たして、それになんの意味があるのかが今だ闇の中である。

そこで、「散髪時に麻酔を用いる事の是非」について、思考を巡らせ、一つの仮説に行き着いた。
毎回、初めに意識を飛ばされてから、次に目覚めた時にはもう調髪は終わっている事がほとんどであり、なるほど、今考えてみると、床屋さんは客に散髪中の「手持ち無沙汰感」を感じさせないために麻酔を用いるのだと言う事なのではないか。

幾多の試行錯誤を重ねた究極のサービスの形が、「麻酔」だったというわけなのである。
 
 
余談ではあるが、以前通っていた床屋さんで、前髪を揃えるべくハサミを使用していた時に、瞼をちょん切られた事があった。(実話)
その時は、麻酔が効いていなかった(寝ていなかった)ので、大変痛かったのをよく覚えている。

そこの店には二度と行かなかった事は言うまでも無く、床屋さんの麻酔は、肝心な時にあまり効果を発揮しないという事もよく分かった。

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コメント

ぼくも眠くなります。
やっぱり麻酔だったかぁ…謎が解けました。

髭剃りのあとに顔にホットタオルを乗せられて
意識が“落ちた”こともあります。

マッサージの手を合わせてパンパンする
御祓いのようなのはどんな効力があるんでしょう?

投稿: 和威 | 2004/09/28 20:54

ああ、あれは、ゲンコツをくれる時に拳に「はあ~!」とやるのと同じです。

「いくぞ、コンニャロめ!」

と言う事です。
散髪中は、生殺与奪の権利は完全に床屋さんに握られてますから、逆らわない方が身のためだと思われますよ。
はい。

投稿: そんちょ | 2004/09/29 00:08

にしても瞼をちょん切られたとは…。
瞼の真中辺りに逆Vの切れ込みが入ってて、目を閉じてもそこから見えるとかって状態?

投稿: Akkey | 2004/09/29 03:32

私もよくこの麻酔が効きます。

ついでに書いておくと、トリビアネタですが、「全身麻酔は未だになぜ効くのか解明されていない」そうです。

ここを読んでいると、どうも麻酔医は大学病院とかでそのあたりの研究をする前に、散髪屋でデータを取った方が良さそうですなぉぃ。

投稿: 拝御 礼 | 2004/09/29 12:52

……おいらのハゲも実は間違って切られたのかなぁ???

落ちた記憶もないくらい瞬時に落とされて……

おそるべし。

投稿: RUMI | 2004/09/30 00:30

床屋にとってみれば迷惑極まりないですが、自分も大体
寝ます。寝ていて、突然カクッと。恥ずかしいです。
「んだよ!」と言う声が聞こえてきそうでした。

起きていても暇なんですけどね。散髪中に眼鏡外すと
なんにも見えないし。

投稿: ゆう | 2004/09/30 00:44

>Akkeyさん
そうそう。
寝ていても、目が乾いちゃって・・。
ってそんなわけあるかーい!

でも、血は出ました。
床屋のオッチャンは必死に傷口を擦ってごまかそうとしてました。
バンソウコウぐらい貼ってくれよ!(怒)

>拝御 礼さん
いやいや、床屋さんの麻酔は、痛いと目覚めてしまう上に、一度痛い目に遭うと(瞼を切られるなど)、二度と効かなくなります。
ちょっと、手術には使えないかも・・。

>RUMIさん
それよりも、RUMIさんの頭の「てぃくび」の方が気にかかりますが。(大ウケしました。笑)

>ゆうさん
そうそう。
メガネ外すと、条件反射で余計に寝ちゃうんですよね。
困ったモンです。

投稿: そんちょ | 2004/09/30 08:36

こちらには、初めておじゃまします。
ずっと、読んでたのですが、コメントデビューに勇気がなくて・・・
でも、これにはコメントせずにはいられなかった!!
実は・・・ワタクシ、理容師!床屋なのですよ。
そう、麻酔を投与・・・なんて。
はいはい。確かに「メガネを外すと眠くなる人」「タオルを巻いて1分、熟睡の人」います。
「寝ちゃダメだ!」という意識が強いのに寝ちゃうから、カックンする度に何か話し出す人もいらっしゃいます。
それに受け答えた後、また、白目をむいて寝てしまう・・・みたいな。
正直、「カックン、カックン」されながらカットするのは至難の業ですわ。
私の先生はよく、寝ているお客さんの後頭部を「くぅぅ~」って顔で、ゲンコツする振り。。。それで、ストレスを乗り切ります。
多分、そんちょさんの後ろでも・・・やられてるかも?

投稿: buchiko | 2004/09/30 22:35

>buchikoさん
こちらでははじめまして~。
すみません。
ご迷惑をおかけしております。
私、「なるべく短く」と言ったが早いか落ちてしまいます。(笑)

だって、眠いものは眠いんだもん!
(そのうち、殴られますね。)

あ、指輪は無事ですよ。
ご安心下さい。

それと、コメントもどんどんどうぞ~。

投稿: そんちょ | 2004/09/30 23:08

はじめまして、コングBAと申します。

で、私の嫁ぎ場は床屋なんですけど、
寝る方は大体決まってます。
髪から伝わる感覚が頭皮の神経を優しく刺激。
あら、不思議、みんな深い眠りに・・・

私、陶芸も興味ありすぎなんですけど、窯の曜日が合う教室がなかなかないので諦めモードです。
また遊びにきます。
絵、おもしろいですね。

投稿: コングBA | 2004/09/30 23:23

コングBAさん、はじめまして~。

そうなんですよ。
私、髪を触られると「落ち」ちゃうんです。
結構多いんですねえ~。
落ちる人。

投稿: そんちょ | 2004/10/01 23:33

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