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秋だから、アイスを愛す。

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秋といえば・・

といえば、「食欲」、「スポーツ」、「読書」、「芸術」などが真っ先に挙げられ、これらは世間一般的に「オータム四天王」として確固たる地位を占めている。

しかし、ワタクシとしては敢えて「アイスクリーム」を推したいと考えている。
そう。私の中で、今、「アイス熱」が冷たくも沸々と沸き上がっているのだ。
 
 
 
夏の主役、アイスは、秋口になると途端に寂寥感を帯びる。
流行り廃りが愛憎と似て表裏一体であるように、あの暑い夏の日、夢中で私の体にむしゃぶりついたあなたは、今はもういない。

過ごしやすくなった気候は、ふたりの蜜月の終焉を連れてきてしまったのである。

アイスは憐れである。
アイスは都合の良いように使われている。

コンビニの片隅に追いやられ、生まれる時期を誤ったがために脚光を浴びる事も無く、自分のテリトリーである冷凍庫の中、悲しいほど整然と、たまに霜を取られる様を、ただ虚ろな目に写している姿を見ていると、私の中にむくむくと、

「オレがついてるかんな。」

という「博愛精神」が生まれ、成長し、頭をもたげ、誰しもが見向きもしなくなったアイスを手に取り、レジで会計を済ませ、かじりつかせるのである。
憐憫の情は、かえってアイスに失礼かも知れないのだが、私は同情を禁じえないのだ。
 
 
 
それだけではない。
ある日、ふと気付いた事があった。

季節商品ゆえの宿命と言われればそれまでかもしれないが、アイスは常にその場の雰囲気(主に気温)の助けを借りて、その味が評価されてしまう。
つまり、
「体温調整が主な目的であり、そのついでに、美味しければいいよね。」
ということであり、「冷たさ」が存在の大部分を占めてしまい、本人の実力、器量などは、常に「ついで」であり、己の実力一本で評価されにくいという問題を抱えているのである。

そういった世間の風潮に、自分は流されていないだろうか?
暑いからといって、何も考えずにアイスを食べ、火照った体を冷ますために、アイスを「利用」してはいないだろうか?
今まで、果たして自分は本当の意味でアイスと真剣に向き合ったことがあっただろうか?
アイスを賞味しているだろうか?

そう考えると、いかに今まで自分がアイスというものを、内心ないがしろにしていたかという事に気付き、深く恥じ入ったのである。


だからこそ、暑くもなく、寒くもないこの時期にアイス買い、食べているのだ。
アイスが、その他の要因を一切排除し、自身の持つ実力を発揮できる稀少なチャンスを、しっかりと受け止めよう、そして、アイスを体温調整の道具としてではなく、一つの氷菓として認め、男としてではなく、一人の人間として向き合おうと心に決めたのである。

いずれまた、凍てつく冬に、効き過ぎた暖房への対抗手段として、お客さんが再び「やり直そう」と戻ってくるその時まで。

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コメント

いい話や…ぐすん。

などと言ってる場合ではありませんな。はい。すいません。
確かにアイスにはそういった面があります。ただそれが一般的な
考えかと思うと少々悲しいです。甘いもん好きの自分としては。

私は年中と言って良いくらいアイスを食べてるので、
あんまりそういうことは考えたことがありませんでした。
そんなわけで(どんなんや)私はこれからも美味しい(と思う)
アイスを笑顔で食べていきます。誰が何と言おうと。

投稿: ゆう | 2004/09/26 17:10

昨日の午後の早い時間に、「秋だから、アイスを愛す。」を読み、
今、また読みました。そこではじめて、
「アイス=愛すか、なーるほど!」と思った私。

遅いですか・・・?
普通ですよね・・・?

投稿: fanshen | 2004/09/27 00:17

>暑いからといって、何も考えずにアイスを食べ、火照った体を冷ますために、アイスを「利用」してはいないだろうか?

すみません、それは私のことです。先週旅行中に余りの日差しの強さによろめき、売店に飛び込み『ドラゴンフルーツアイスキャンデー』を買い、シャキシャキシャキシャキひたすら噛んで、のどの渇きと体温の急上昇を解消してました。ドラゴンフルーツでもガリガリ君でもなんでも良かったような気がします(ドラゴンフルーツアイスキャンデーは種の粒々があり、口の中でアクセントはつけてくれますが)。

うちの冷凍庫には暑い日に大量購入したアイス類が大量に残ってます。こいつらはちゃんと愛す!ということで勘弁して下さい。

追伸。最近東海林さだおを読んでいらっしゃいますか?今回の文章がショージ系なので、ちょっと噴いてしまいました。

投稿: 腹痛生活 | 2004/09/27 00:28

>ゆうさん
あ、ゆうさんは、一年中食べる方でしたかあ。
ってことは、アイスと添い遂げるつもりなのですね。

なんて立派な・・(感涙)。

わたしは、かえって夏の暑い時期にはアイス食べません。
次々とかごに入れられるアイスたちを見ながら、「そうかそうか・・」と頷くだけです。

是非、ゆうさんには一目をはばかる事無く、ニヤニヤしながらアイスを食して欲しいと願わずにいられない今日この頃です。

>fanshenさん
いいえ。
遅すぎます。(キッパリ)

遅きに失していますとも!(キッパリ!)

>腹痛生活さん
ああ・・いけませんね。
それは、「営み」ではなく、単なる「放出」です。
虚しくはありませんでしたか?
疑問は感じませんでしたか?
そして、どこからきてどこに行こうというのですか?
(質問に大した意味はありません。)

東海林さだお先生の作品は、相方が好きで、つい最近勧められ、借りて読み始めました。

食べ物以外のことになると、結構ボヤき癖のあるさだお先生ですが、私もスッカリファンになりました。

以前、相方に「文章の感じが東海林さだおに似ているから、もう、読んでいるのかと思った。」と言われ、「東海林先生に似ている」というところが妙に嬉しかったのです。(いや、レベル的には足元にも及びませんが)

で、食べ物ネタということで、さだお先生の表現を一部使っちゃいました(笑)。

「アイスは憐れである」

のあたり。

投稿: そんちょ | 2004/09/27 08:13

アイスは年間通して楽しむものっすよー.
うちの近所に(牧場で直に手作りしたアイスを除いて)日本一旨いアイスクリーム屋があるので,足しげく通っているのです.

カンカンに日差しの照りつける真夏日に,
キンキンにクーラーを効かしたアイス屋に入り,
そのアイス屋ご自慢のアツアツのブレンドコーヒーをすすりつつ,
ヒンヤリ気持ちいいクリームチーズアイスを食す.

是,贅沢の極み也.

投稿: TOK | 2004/09/27 22:26

ははあ。
温かさと冷たさを同時に味わいながら、肉体の温度を絶妙に調整する訳ですね。

それ、贅沢の極み也。

投稿: そんちょ | 2004/09/28 23:57

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受信: 2004/11/04 15:10

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