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叱られ役

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じゅじゅさんのダーリンさんは、結局いつも怒られる。
怒りの方向が、大体同じ方向に向くのである。
この話を聞いて、私は溢れる涙を禁じえなかった。
何故なら、私もよく同じように怒られるからである。

「叱られ役」、または「怒られ役」というものは、必ずどこにでもいるものである。
いや、むしろ、その役割を担う人間がいないと、組織は円滑に機能しない場合が多い。

「叱られ役」は、基本的に大らかで、反論しない、なおかつ気にしない・・というか、忘れっぽい人間にその資格が生まれ、その資格を授かった人間は、周囲の「怒りのはけ口」として機能する事になるのである。

本人も、それは分かっているのだが、そういうことで腹を立てる人間に「叱られ役」は勤まらない。
そういう得がたい能力を必要とされるのである。

つまり、「叱られ役」は選ばれた人間なのだ。
(あんまし嬉しい選ばれ方ではないが。)

そういった意味では、私も選ばれた人間である。
 
 

「叱られ役」有資格者の特徴は、いちいちよく反省する。
その時は、本当に悪かったな・・今度から気をつけよう。
とは本気で思う。
思うのだが、「叱られ役」は在任期間が長い場合が多く、長年の経験で、「反省はしているけど、聞き流しちゃう。」という致命的なクセがついてしまい、またすぐ同じ過ちを繰り返しては叱られるという悪循環が出来上がってしまうのだ。

その辺は、もはや本人にはどうしようもないことなのである。

 

「叱られ役」の真骨頂は、「理不尽な叱られ」である。
こんな事もしょっちゅうある。

ある日の事。
厨房で他の人が片付けずにほっぽっておいた調理器具があり、Sさん(敢えて仮名で)は怒っていた。
そこに、タイミング悪く(テレフォン指数が高いのも、「叱られ役」の特徴である)「叱られ役」の私が入ってきた。

Sさんは、見るなり怒ってこういった。

「こら!お前、またコレ出しっぱなしにしたべ!」

「え?違うよ。それさっき、●●が使ってた。俺、今日使ってないし。」

「そうなのか?・・まったくアイツは!これいっつも出しっぱなしなんだよ!アンタもだよ!出しっぱなしにするとね・・」
そこから、結局説教を食らうことになるのである。

極め付きはコレである。
ある日の事。
いつものように仕事をしていると、Sさんが疲れきった顔をしていたので、何事かと聞いてみた。

「どしたの?」

するとSさんは、険しい顔を向けつつこう言い放ったのである。

「昨日の夜ね・・。夢の中で突然、アンタが『北海道にチーズを買い付けに行く!』と言い出してね。仕事をほっぽってどこ行くんだ!って、叱りつけて、あんまり腹が立って、起きてからも体調がおかしいんだよ・・。」

・・あまりにも理不尽かつ不条理な上に不可解極まりない言いがかりである。
日常、そんな無茶なことは一言も言っていないのに、自分の脳内で起こったことや、夢の中の事まで責任を取れというのだろうか。
さすがにこの時ばかりは途方に暮れてしまった。


その事からも分かるとおり、「叱られ役」にはさまざまな方向、思いもかけない方向から怒りの矢が飛んでくる。
それに反撃する事無く、また、防御する事も無く、ひたすら受け入れ、受け流し、いなし、捌き、まるで植物の光合成のように、怒りを(いや、大抵怒られるようなことをしてるんだけど)消化し、全体のバランスを取るのが「叱られ役」の仕事なのである。

もし、「叱られ役」が物事を完璧にこなしたり、いちいち反論して怒り狂ってしまったら、「叱り役」の人間はストレスで死んでしまうだろう。
「叱られ役」はそれが分かっているのである。

以上の事から、結論として、

■ 叱られ役は、自分で叱られる種を生み出し、それを自ら消化する、いわば永久機関である。
■そのついでに、他の怒りも注がれ、結果として周囲に満ちた怒りパワーを吸収し、全体の調和を取っている。
■ 叱る方は、実にスジの通った事で怒りつづけるあまり、たまに怒る分類のしようのない事も、なんだかよく分からないけど、とりあえず叱られ役に回しちゃう事もあるので注意した方がいい。

と言う事である。

だから、今日も「叱られ役」は叱られる。
昨日注意されたことをしてしまい叱られる。
他人がした事でも叱られる。
理不尽なことでも叱られるのである。

「叱られ役」の皆さん、どうか、今日も立派に、堂々と叱られて頂きたい。
私たちが叱られる事にはきっと意味があり、それがこの社会に何かしらの寄与を果たしているのだから。

叱られ役、バンザイ!
(こういう事をほざくから、また叱られるんだよな・・。)

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コメント

アーーーーッハハハハハ!
もーーーっこのまんまです!
私も夢を見て、そのことでダーリンを蹴飛ばしたことがあります。
この記事すんごーーーく納得するんですけど、
実際本人を目の前にすると、「いいかげん同じこと言わせないでよっ!」と怒り沸騰してしまいますね。
この記事みたいなことをダーリンがほざいた日にゃハルマゲドンがやってきます。

投稿: じゅじゅ | 2004/09/10 16:18

>「叱られ役」は、基本的に大らかで、反論しない、なおかつ
>気にしない・・
僕も、その口です(笑)
怒られた2、3分後にはもう忘れてけろっとしている僕を見て
また怒られてしまう、さっき怒られたからもう良いじゃんって思ってしまうんですよ!
 かみさんにしてみたら、怒っているつもりは無いとの事。
・・・いやぁ~目が怒っていますよ~(笑)

投稿: そ~ま | 2004/09/10 17:09

>じゅじゅさん
やはり、そうですか・・。
ダーリンさんのお気持ち、そして立場、察するに余りあります。

カタカタ・・(震えている)。

>そ~まさん
そ~まさんもそうですか。
叱られてますか。
叱られるのは、慣れるとまあ、そんなに気にならなくなりますよね。
あ、だから叱られるんだ。
イカンイカン。
反省。

へへっ。

投稿: そんちょ | 2004/09/10 18:08

初めましてです。

じゅじゅさんちで記事を読みやってきました。
腹の皮がよじれますです。
思い当たります。確実に。うちにも居ます。

叱られ役、バンザーイ!

投稿: yimeka | 2004/09/11 11:00

はじめまして。
納得することばかりです。
というか、反省。
私は叱り役です。
いつもすぐ爆発して怒りまくります。
でも、私の周りには素敵な叱られ役さんがいないので
こんなにストレス溜めてるんだと気付きました。
明日早速まだ見ぬ叱られ役さんを探したいです。

投稿: shoegirl | 2004/09/12 00:39

こんにちは。SIMSIMです。

 叱られ役・・・。
 何てせつない記事でしょう。


>「叱られ役」有資格者の特徴は、いちいちよく反省する。

 その通り。人がよいといいますか、つい、「私が悪い」と思ってしまう・・・。そういう考え方をする人間と、「他人が悪い」と思う人間との間に暗黙の契約が結ばれるのでしょうか。

 かと言って、叱る側の人たちにも、少なからず根がよい方もいらっしゃる。
 つまり、怒った後自己嫌悪に陥る人。
 そうなると、際限なく不幸じゃありません?
 双方で救いようがなくなる・・・(特に叱られる側はまさしく叱られ損!)。
 
 ただ、叱る側にも理由があるのも認めます。
 確かに、原因がこちら側にあることも多々ありますから。

 でも、一つ言わせてください。
 生まれも育ちも違う他人です。
 習慣や考え方なんて違います。
 なのに、一方向から”あかん!”と一方的に言われても、それが正しいとわかっていても(でも事故にしろ喧嘩にしろ、百パーセント片方が悪いということもない!と思いますけど・・・)、もう出会う前からこういう育ちなんです。

 人はすぐには変われません。
 習慣性とは恐ろしいものです。
 つまり、反省しつつも聞き流す、のではなく、習慣化している、ということに目を向けて欲しいです。
 そして、叱られれば叱られるほど萎縮し、言われれば言われるほど慢性化し、怒り怒られるという関係が根深く定着してしまう・・・。
 (子供のおねしょみたいなもの?)

>「叱られ役」の真骨頂は、「理不尽な叱られ」である。
>今日も「叱られ役」は叱られる。
>昨日注意されたことをしてしまい叱られる。
>他人がした事でも叱られる。
>理不尽なことでも叱られるのである。

 叱られる側がおおらかで忘れっぽく、人がよいのは万人の認めるところです。
 でも、傍目には忘れているように見えても、実際本人も忘れていても、実際は心の奥底に生々しい傷は残っているものです。
 言葉の暴力。
 最近は、それをふるっている人たちにも感覚がなくなってきているような気がします・・・。


 だいぶ暗いコメントになってしまいました・・・。
 時々、場違いな人間がしゃしゃり出てきてごめんなさいね。

 でも、

>その役割を担う人間がいないと、組織は円滑に機能しない場合が多い。
>もし、「叱られ役」が物事を完璧にこなしたり、いちいち反論して怒り狂ってしまったら、「叱り役」の人間はストレスで死んでしまうだろう。

 という本文(悟りの境地ですね・・・)を見ていたら、このまま”叱られる側の存在の是”だけが残ってしまう気がして。
 
 老婆心ながら最後に一言。
 叱られる側は叱られる意味(その存在意義)を理解しつつ叱られているのだ。つまり、叱る人のことをも少なからず考えているのだ。ということも、叱る側の人たちには気づいて欲しいです。

投稿: SIMSIM | 2004/09/12 19:58

>yimekaさん
はじめまして~。
やはりおられますか。

むふふ・・。
叱られ役バンザーイ!(?)

>shoegirl さん

はじめまして~。
って、いきなり叱られ役募集中ですか。
ひい~。
クワバラクワバラ・・。

>SIMSIM さん
いやいや、まあ、イラストを見てもらっても分かるとおり、結構全然他の事を考えている事が多いですから・・(笑)。
だから、余計に同じ事をしてしまうのですが。

まあ、叱る人と叱られる人の違いは、「言う人と言わない人」の違いだったりもします。
全部が全部じゃありませんが。
それもまた育ちの違いかも知れませんね。

一番可哀相なのは、「誰にも叱られなくなってしまった人(何を言っても無駄だと思われた人)」かもな・・。
と最近思います。
ハイ。

投稿: そんちょ | 2004/09/12 20:26

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