いつもより多く回しすぎた!
「若き陶芸家(ニフティ株式会社公認?)」の私も、今のご時世(というより、ただ単に修行が足りないだけだけど)、陶芸だけでは食べていけないので、自分で石窯をこしらえてピザを焼いて見入りの足しにしている。
今日は天気も良くて、そよぐ風も爽やかでなんとも心地よく、ウチにも子供を連れた家族連れが沢山訪れた。
そうなると、俄然私のピザは忙しくなるのである。
特に今日は予想以上に枚数が出て、事前に用意したピザ生地が足りなくなるという事態に陥ってしまった。
そこで、注文をこなしながら生地も同時に焼くという事になったのだが・・。
いつものように生地を丸めて窯の前に持ってゆき、ポンポンポン!と手の間で少し伸ばして、ある程度伸びたところで空中に向けて回しながら投げる。
よく、イタリアのピザ職人がやっている事のマネなんだけど、これをやると生地の端に厚みを残したままキレイに丸く伸ばす事が出来るのである。
次から次にヒョイヒョイ投げて伸ばしていると、横合いから「すげえ~!」という声が飛んできた。
ふと見ると、いつの間にか子供とその親御さん達が生地伸ばしの様子を見ていた。
「こんにちは。」と軽く挨拶をして、時間も無いので急いでクルクル回していると、子供らはそのたびに
「おお~!」
「すご~い!」
「じょうず~!」
などと喜んでくれるのである。
ほうかほうか。
オッチャン上手いか。
「カッコイイ~!」
ほうかほうか。
オッチャンカッコイイか。
すっかり気分を良くし、持ち前の無駄なサービス精神をいかんなく発揮し、いつもより多く回す私。
そうして密かに悦に入っているうちに、注文がドカドカ入ってきたので、急いで厨房に戻らねばならなくなった。
今、焼いたばかりの生地に盛り付けをしようと皿にのせて見たところ、明らかにいつもよりデカく、皿からハミ出している。
「あれ?なんか、今回の生地、妙に大きくない?」
と周囲の人間に言われたが、まさかその理由が
子供に誉められて、ついいつもより多く回してしまいました。
とは言えなかった。
だって、
オッチャン上手だって・・。
オッチャンカッコイイって・・。
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