韓ちがい。
彼女(以下、相方)と、韓国料理屋に行った時のこと。
「冬のソナタ」の「ペ様(ヨン様の事。私は親しくないので苗字で『ペ様』と呼んでいる。)」のキャラクター商品が並ぶ店内を横目に、石焼ビビンバと、チジミを注文した。
私は今まで韓国料理というものを食べた事が無くて、韓国料理についての知識がまったくと言っていいほどなかったので、韓国人の友人もいて、少なくとも私よりは韓国料理について知識のある相方に、やれ「チゲってなに?」とか、「サンゲタンってなに?」とか尋ねていた。
(それ程度の知識も無いとは、我ながら恥かしいことなのだが。)
そのうちに、まず「チジミ」が運ばれてきた。
「チジミ」というのは、ギョーザの皮のような生地の中に、主にネギなどが練りこまれていて、それを薄く伸ばして焼いた物にごま油みたいなタレをつけて食べるものだった。
さっそく、目の前に置かれていた箸を取って食べようとする。
そこで異変に気付いた。
その箸は金属で出来ているのである。
そこで、相方に尋ねてみた。
「サチさあ。韓国料理って、本場では鉄箸で食べんの?」
「いや?そういう話は聞いたこと無いけど・・。でも、置いてあるって事は使えってことだよねえ?」
「んだよねえ。きっと、本物の韓国料理は鉄箸で食べるんだよ。さすが、韓国。」
意味不明の感銘を受けつつ、そう決め付けて鉄箸を駆使してチジミを食べる。
しばらく、チジミを楽しんでいたのだが、どうも具合が悪い。
箸が重くて、滑るのだ。
「サチさあ。なんで韓国料理って、鉄の箸で食べるのかなあ?重くて使いづらいだけだよな。」
「うーん・・ねえ?でも、木の箸って、置いてないでしょー?」
と、視線をテーブルの端に向ける相方。
隅の黒い箱の中に、普通の割り箸があるのを発見した。
「あ。割り箸あるよ。」
そこで、恐らくふたりの思考は同調した。
↓
目の前には、焼肉用のコンロも用意されている。
↓
ということは、自分で肉を焼く。
↓
木製の割り箸では焼いているうちに箸が焦げてしまうだろう。
↓
鉄の箸なら焦げることは無い。
↓
つまり、この箸は肉をひっくり返したり、取り皿に取るためのものである。
↓
我々は間違っている。
またもや、別れ話が飛び出してもおかしくないほどの気まずい沈黙とともに、何食わぬ顔で鉄箸を戻し、割り箸を割るふたり。
「・・・ビビンパが来る前に気付いてよかったね・・・。」
というつぶやきとともに、その後、鉄箸には会話の端にも一切触れることは無かった。
もちろん、勘違いしたのは我々の過失なのだが、せめて、せめてもう少し分かり易いところに割り箸があれば・・
いや、この事は我々ふたりが互いに助け合って乗り越えねばならない試練であろう。
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コメント
さうさう、そうやって愛情が深まっていくのです。多分。
投稿: Akkey | 2004/07/21 22:47
いや韓国では普通に金属の箸使いますよ
投稿: あおい | 2004/07/22 21:59
使うのですね…
なるほどあれは金属の箸に慣れてない
まさに我らのような客のために普通のが置いてあったような気がします。
投稿: 相方 | 2004/07/22 22:37
あら!韓国はホントに金属の箸使うんですか!
へえ~。
勉強になりました。
まあ、結果的に愛情が深まったのでヨシとしましょう。(笑)
投稿: そんちょ | 2004/07/23 00:21
おぉ?何気に相方さん登場!
投稿: Akkey | 2004/07/23 22:35