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クツヒモの反乱

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一体、何がどういう具合でそうなるのか皆目見当もつかないのだが、大体半年に一度、クツヒモがほどけまくる日がある。

そうなると、何度結びなおしても、いくら固く締め上げてもパラリとほどけてしまい、忙しい中かがみ込んでクツヒモの世話をしなければならない憂き目に遭う。

大体にして、私はモノグサなので、紐靴はヒモをゆるめに結んだまんま足をズボッとねじ込んで履く。
もしかすると、それは靴にとっては小さな侮辱であり、それが積もり積もって大体半年に一度暴発して、

「たまには結んでみたらどうなのよ!」
とか、

「釣った魚にはエサをやらない主義なのね・・!」
とか、

「いつでも履かせるような、簡単な靴だと思わないで!」
とかいう意思表示をしているのかもしれないが、「男尊靴卑」の考え方の強い私は、

「生意気な靴め!いつからそんなに偉くなった!」

「足を守る意外に能が無いお前に、何が分かる!」

などという罵詈雑言を浴びせかけ、力ずくでヒモを結ぶという凶行に及んでしまうのだ。

つまり、コスメティック・バイオレンス(暴力的なお化粧?)と言うヤツです。


しかし、世の中には上には上がいるもので、私の姉などは、同じく良くクツヒモがほどけてしまう悩みに遭った際、迷わず結び目を瞬間接着剤で固めたと言う伝説の持ち主であり、

「姉よ、それはいくらなんでもやり過ぎだ。」

と、言わずにはいられない今日この頃だったりするのである。

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