ドラゴンボールの功罪
ほぼ日刊イトイ新聞デリバリー版で、「ドラえもん、ドラゴンボール世代」の話をしていた。
何を隠そう、私もドラゴンボール世代だ。
イラストでも、多分に鳥山明先生の影響を受けている事からも分かるように。
ハイ、どん。
↓

参考資料ナシで、殆ど描いた事がなくてもこれだけ描ける世代なのだ。
ドラゴンボールを知らない人のために、簡単なあらすじを説明しますと、
世界中に散らばっている7つのボールを集めると、どんな事でも一つだけ願いが叶う。
そのボールをめぐって色んなドラマが展開される。
基本はこうなのですが、
後半は「これぞ商業誌的少年漫画の王道!」という展開になります。
基本的に、
主人公がとても勝てないほどの強敵が現れる。
↓
修行して、力をつける主人公
↓
仲間がその間にどんどんやられる
(これで半年くらい引っ張る)
↓
怒りに燃えて主人公登場。
(まず宿敵の腰ぎんちゃく的存在を叩きのめす事で、主人公の強さをアピールし、それが快感となる。)
↓
激闘の末、宿敵を打ち破る。
↓
しばしの平和が訪れる。
↓
またどこからとも無く強敵が登場。
↓
主人公はとても歯が立たない。
↓
以下繰り返し。
まあ、深読みすれば、戦いで勝ったとしても、新たな火種が生まれるだけなんだよ。
憎しみの連鎖に終わりは無いんだよ。という教訓が折り込められているのかもしれないけど、最後の方はもう話が大きくなりすぎて、収拾が付かなくなっていた感もあります。
この漫画で、もっとも良くないな~と個人的に思うのは、「キレたモン勝ち」だという事。
怒って、そうするとスーパーサイヤ人になって、すんごい力が出て・・。
怒れば解決。
みたいな事って、そうないから。
この作品は、その後の少年マンガにも多大な影響を与えているんだけど、この悪しき慣習を引き継いでいる作品も少なくない。
「キレればカッコイイ。」、「キレれば強くなる。」という、あまりに短絡的な刺激を子供に与えるのは、いいことではないなあ。と思う。
キレるってことは、思考停止の肯定だから、いい結果は生まない。
絶対に生まない。
「たかがマンガ」と侮る事無かれ。
子供の頃受けた情報というのは、かなり人格に影響を及ぼしますよ。
でも、「子供がキレ易くなったのは、マンガやゲームの所為だ!」というのもまた違うんですけどね。
そこは周りの大人の躾の問題ですから。
「マンガやゲームに責任転嫁する大人」が親だと、子供も責任転嫁するクセがつきますからね。
責任転嫁ってのは、「自分は悪くない」という事が前提ですから、それこそが「キレる」ということなんでね。
もちろん、ドラゴンボールは名作だと思います。
でも、そこだけは気になるなあ・・と思った。
それと、今、外国でもこの「ドラゴンボール」が大人気なんだそうで。
なんでも、打ち破った相手が、心を入れ替えて仲間になるのが新鮮なんだそうだ。
なるほど、外国は打ち破った敵は殺してしまう事が多いからかなあ。
日本は「戦いが終われば人間同士の付き合いも可」、「敵に塩を送る」文化があるからかもしれない。
よーするに、チェスと将棋の違いだな。
余談ですけど、ドラゴンボールで、筋斗雲ってたしか「心の清いものしか乗れない」っていう設定のはずなのに、どうしてゴクウに子供が出来たのだろう・・。
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コメント
僕は「キン肉マン」派かなぁ。
まあ基本的ストーリーはよく似たモノですかw
(ちなみに、絵が苦手な僕でも、キン肉マンは結構イイ感じに描けます)
>筋斗雲ってたしか「心の清いものしか乗れない」っていう設定のはずなのに、どうしてゴクウに子供が出来たのだろう・・。
僕にも子供がいます。
僕の心は清いです。(←自分で言うなw)
…だから、それでイイのです。
(そういえば、キン肉マンにも最近子供ができたそうでw、しかもご活躍されているそうな…)
投稿: たろー。 | 2004/05/08 02:02
>たろー。さん
キン肉マンもありましたねー!
私はキン肉マンは途中参戦だったので、ちょっと印象が薄いのかも知れません。
ちょうど、ナントカっていうタッグマッチで、サンシャインの胸のローラーにジェロニモが潰される所だったような・・。
アレは幼心にも「酷い事するなあ・・」と感じたものです。(笑)
ちなみに、私が始めてマトモに絵を描いたのはキン肉マンが最初です。
(多分、今でも描けます。)
投稿: そんちょ | 2004/05/08 08:42
>たろー。さん
・・ところで、「心が清い」については、まあ、そういう事にしておきます。(笑)
しかし、あのペン立ては・・(大笑)
投稿: そんちょ | 2004/05/08 08:43