大きくなれよ

仔猫。
名前は「たろー」という。
これはウチの母が付けた名前なんだけど、この猫はか細いシッポの先っちょだけが白い。
なので、私は「小筆(こふで)」と読んでいる。
よって、ここでは「小筆」と呼ぶことにする。
百歩譲って「小筆、またの名をたろー」とでもしようかな。
別に股に名前があるわけではない。
コイツは、ウチの庭に住み着いている外ネコ(エサはやるけど飼っているわけではない、いわば「食客」のようなもの)の内の一匹が産み落としたものだ。
3匹生まれたうち、コイツだけ親に見捨てられてしまい、乳も与えられずに死にかけているところを見るに見かねた母が「もう、こういうのには関わりたくないのに!」と文句を言いながらも助け、育てている。
なぜ、小筆は親に見捨てられたのかというと、コイツは生まれ付き背骨に奇形があり、首のすぐ下の部分が折り畳まれたように湾曲しているという、いわゆる「寸詰まり」になっているのだ。
だから親も「この子は大きくなれないだろう」というので育てなかったのだと思う。
一見非常にも見えるけど、それは「自然の摂理」というものであり、見方によっては当然の事なのだろうとも思える。
小筆も外でなら、そのままイタチかカラスかトンビかのエサになって一生を終えたのだろうけど、たまたま窯小屋にいて、母の目の前で「パタリ」と倒れて見せたので、そのまま一命を拾ったというわけだ。
小筆はよく食べる。
牛乳を乗せたスプーンをガシガシ噛んで次々飲み干す。
食べ終わるとみーみー鳴きながら陶芸工房の中を歩き回る。
背骨が曲がっているので、よちよち歩きになってしまう。
しかも、ちっこいので、踏まないように注意しながら作業をしなければならず、結構困っている。
小筆は元気に動いている。
一生懸命食べて、一生懸命動く。
でも、遠からず死ぬだろう。
奇形の場所が場所だけに、体が大きくなると気道が圧迫されたり、神経がねじれたりしてしまうだろうからだ。
病院などには連れては行かない。
そんな事をしていたらキリがないし、野生に生まれたものは自分の生命力を頼みに生きなければ、どちらにしてもすぐに死ぬことになるから。
もちろん、首尾よく大きくなれば外に出す。
それでも、たとえ短くとも一生懸命生きて欲しいものだ。
がんばれ小筆。
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コメント
お久しぶりのコメントです。
切ないですね~寂しいです(ノ_・。)。猫派のさくらにはとても辛いお話でした。多分うちで飼ってたら辛くて見てられなかったでしょう。少しでも大きくなって、少しでも元気に長生きして欲しいです。頑張れ!小筆!(たろー?)
投稿: さくら | 2004/05/30 04:43
>さくらさん
お久しぶりです~。
小筆ですね。
今日も工房をみーみー歩いてますよ。
ホントは情を移したくないんですけどね。
名前を付けた時点で移ってますがね。(笑)
困ったものです。
投稿: そんちょ | 2004/05/30 09:13
治るか治らないかはさておき、一応
病院に連れて行った方がいいですよ!
投稿: じょん | 2009/10/24 19:17