土側溝(どそっこう)
土側溝(どそっこう)って知ってますか?
10年前、原野を開き、家を建てて、街から移住しました。
あちこちから水が沸いたり流れてきたりの土地でしたので、
水の路を整えるため、側溝を掘ったのです。
今の常識ではそこにU字溝を入れるのでしょうけれど、
敢えて土そのままの溝、土側溝にしました。
せっかく土なのだからと、あちこちに石を入れて、
流れを緩やかにしてみました。
するとどうでしょう。
セリが生え、クレソンが生え、溝の両側には三つ葉にたんぽぽ、ふきのとう。
”ゆきのした”やミントまで増えたではありませんか!
植物だけじゃありません。
石の間で編み込まれるように流れる水の中、
イモリ、カワガニにカエル。
サンショウウオまでが住み着きました。
6月の終わりから7月にかけては、
その上を蛍のほのかな光が舞います。
それぞれの季節には、
オニヤンマやウシガエルたちが卵を産みつけます。
今は早春。
土側溝は、山肌から流れてきた落ち葉に埋もれて眠っています。
土側溝は生きている小川。
命をはぐくむ水の道なのです。
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