2011年3月16日 (水)

山のばあちゃん日記24 ~松葉の続き~

時が過ぎて、
しばらく街暮らしになり、
松葉のことはすっかり頭から抜けていった。

街の暮らしはとても必死で、
いつも忙しくて、
健康のことなど疎かになり、
病気になった。
ストレスから誰もがなる胃の病気で、
初めて入院という経験をした。

一日中病院の天井を見ながら、
だんだん我に返った。
色々考えて、

「山に帰ろう」

と決めて、
今の山暮らしになった。

山で生き始めて、
祖父のことを思い出した。

松葉の事、
山菜、野草の事、
農業の事、
山仕事の事、
家の周りの多種の果樹の事、
流れ水が飲料水だった事、
軒下にモコモコ湧く、小さい清水の事、
炭焼きの事、
落ち葉を集めて苗床をつくった事…


<続きます>

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2011年3月15日 (火)

山のばあちゃん日記23 ~松葉~

松葉酒。
我が家の健康酒です。
毎日20ccほど飲みます。

朝起きてすぐ飲む者。
夜寝る前に飲む者。
色々です。

決して美味しくはない。
でもまず菌というか、口内にとてもよい。

私は67歳。
歯がゆるむこともなくガッチリしている。
スキマもない。
血液もサラサラになるという。

もう、とうに亡くなった私の祖父が、
よく松葉を噛んだり、
松ヤニをガムにして噛んでいた。
祖父は98歳まで生きた。
それが松のおかげかは分からないけれど。

私も子供の頃、松ヤニをを木から剥がして噛んだものだ。
苦いような、辛いような、
しびれるような味だったけれど、
祖父のマネしてよく噛んだ。


<明日に続きます>

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山のばあちゃん日記22 ~春らん~

春らんの花を見に行った。

いつだったか見に行った時とあまり変わっていなく、
春はまだまだだなあ…と思った。

春らんはハカマを取り、
酢を入れたお湯でサッと湯がき、
酢醤油で食べる。

ほんのり甘くてシャキシャキして、
香りもよく、おいしい。

春一番の山菜です。

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2011年3月14日 (月)

山のばあちゃん日記21 ~三月七日~

K37

小雪。
だんだんと寒くなってきた。
今年は一体いつまで雪が降るのか。

二月の初めに家の梅の枝を剪定し、
その枝を大花入れに挿しておいた。

今それが満開で、家中に甘~い香りを放っている。
元の梅の木はどうかと見に行くと、
まだまだ硬い。

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山のばあちゃん日記20 ~三月六日~

今日はところどころ土の出ているところを廻りながら、
野草茶にする野草を集めた。

ふきのとう、すみれ、たんぽぽ、かきどおし、
はこべ、のびる、野菊、せり、おお種漬草、
子おにたびらこ、シロツメクサ、あざみ、
みみなぐさ、なづな、冬の花わらび…

一日中、野にいたので、
夕方はとても疲れて、
夕飯の支度のイヤなこと…

「勝手に食え!」

なんて云ってみたけど、
ふきのとう、せり、かきどおしの天ぷらと、
干物の魚を焼いたら、もう何事もなかった気分。

二人で晩酌しながら食べた。
おわり。


<明日も更新します>

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2011年3月11日 (金)

山のばあちゃん日記19 ~三月五日~

今日も雪が降った。
20㎝くらい積もった。
いつものように四時頃起きて、
障子を開けると…

まあ~
綺麗な事、綺麗な事!

まだ明けきっていない薄暗い山すそに、
真綿のような雪を枝にほんわりと盛り上げた無数の木々が、
あたり一面光り輝いている。

ケイタイにもカメラにも、
この景色は写しきれない。

私にもっと文才があれば、
この素晴らしい情景を書き残せるものを…


<次回は月曜日です>

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2011年3月10日 (木)

山のばあちゃん日記18 ~タヌキのはなし~

K31

五年くらい前の話。

季節は初冬でした。
我が家の庭のハンの木林を、
夜になるとタヌキの母子が通り抜けるのを、
窓から毎日見ていた。

ある時、子ダヌキの一匹だけ置き去りにされた。
その子ダヌキは、ハンの木林に置いてあった犬小屋に住み着いた。
犬小屋は、以前飼っていた犬が使っていたもので、
その主はもうおらず、空き家となっていたのだ。

「どうして置いていかれてしまったのかナー」

と思って、ずっと観察していると、
どうも様子がおかしい。
小屋からちょっとだけ出て、二~三歩歩くと、
すぐ小屋に戻ってしまう。
気になったので、そ~…っと近づいてみると、
その理由が分かった。

目が見えていないようなのだ。

あれから親ダヌキも子ダヌキもここには来ないし、
何も食べていないようだ。

キャットフードを近くに置いてみると、
そ~…っと食べて、またすぐ小屋に戻る。
何日かそんな繰り返しだったのだけど、
そのうちキャットフードも減らなくなり、
小屋の中にこもったまま、出てこなくなった。

思い切って近寄ってみた。
やはり、子ダヌキは小屋の中で死んでいた。

小屋から出して、毛布にくるもうとして、
初めてじっくり見ることが出来た。

子ダヌキは顔がクチャクチャで、
毛もまばらにしか生えていなかった。
急に寒くなったから、凍えたんだなぁ…と思った。

母ダヌキはここの小屋に入れて、
他の子ダヌキを連れて行ってしまったんだ。

毛布にくるんで、ぎゅっと抱きしめてから埋めた。

K35

それから十日くらい過ぎて、
埋めた場所に行ってみて驚いた。
すっかり掘り返され、包んだ毛布がちぎれて散乱し、
子ダヌキは「なくなっていた」。

そうか、誰かに食べられたんだ。
誰かの命をつないだんだ。
初めてこみ上げるものがあった。

あれからいくつ同じように埋めたことか。
でもやっぱり同じ。
掘り返される…。

それでいいんだ。
それが自然なことなんだ。
と思えるようになった。

自分の死についても一日一回は考える。
”騒がない”と。


<明日も更新します>

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2011年3月 9日 (水)

山のばあちゃん日記17 ~吊花(つりばな)の木植えた~

K33

去年の2月、吊花の木を植えた。

裏山を歩いていて見つけてヒモで印を付けておいた木。
なにしろ花がついている時は見分けることが出来るけど、
秋に葉っぱが落ちてしまえば、
どの木がどれか分からなくなる。
それでヒモを付けておく。

山の木々は二月頃移すのが失敗がなく上手くいく。
去年は二個だけ実を付けた。
可愛い実がはじけてぶら下がる。


※吊花…ニシキギ科ニシキギ属 落葉低木

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2011年3月 8日 (火)

山のばあちゃん日記16 ~カヤの木植えた~

K30

裏山を歩いていたら、50㎝くらいに育ったカヤの木を見つけた。

引っ張ったら抜けたので、持って帰って敷地内に植えた。
固い葉の先はトガっていて、とてもチクチク痛い。

カヤの実は炒って食べられる。
アーモンドのような種子が美味しい。

でも実が成って食べられるまで、
私は多分生きていないと思うけど、
いいじゃない。
孫の時代に食べられれば。
食べ方だけは伝えよう。


※カヤ…イチイ科カヤ属 常緑高木、大木になる。
※食べ方…果実が熟すと割れて固い種子が出てくる。
       それを炒ってから、割って中身を食べる。
       とても美味しい。


<明日も更新します>

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2011年3月 7日 (月)

山のばあちゃん日記15 ~雪が降った~

K32

2月28日

やっと雪が解けて、春の始まりと思ったのに、
朝、起きてみたら、一面真っ白。

周りの山から横の木から雪の花で、
その美しいこと美しいこと。

空のどんよりした雲に溶け込んで、
墨絵のようでした。

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